4333.2019年3月24日(日) 日本は女性活躍社会になれるか?

 今パキスタンからひとりの女子大学生が来日していて、昨日東京都内で政府主催の第5回国際女性会議と主要20か国・地域(G20)に政策提言を行う「Women20」の合同セッションで講演を行った。会議の冒頭で安倍首相は挨拶して日本が途上国での女子教育に支援することを表明した。件の女性は、マララ・ユスフザイさんと言い、2014年に16歳でノーベル平和賞史上最年少の受賞者となった。その2年前の2012年に中学校から自宅への帰宅途上パキスタン・タリバーン運動(TIP)に銃撃され頭部に重傷を負い、2度の手術を受けて一命を取り留めることが出来た。父親が学校を経営していたことから彼女も女性イスラム教徒としては珍しく学校教育を受けたことが、女子の教育を拒絶するTIPから彼女の家族らパシュトゥーン族が住む地域で欧米文化を推進していたとして卑劣にも幼い彼女への犯行を予告していた。銃撃事件から立ち直ってから数々の賞を授けられた彼女は、それを女子教育普及のための基金設立に当て各国へアピールし続けている。訪日の目的も女子教育の普及という自分の考えを訴えたいことと、基金を集めることだった。

 現在21歳のオックスフォード大学生であるが、一番感心したのはスピーチがとても上手なことであり、それはスピーチの内容と話し方による。特に一昨年国連で史上最年少の国連平和大使に任命された時のスピーチは、これが19歳の女性の話しぶりかとジェスチャーを交えたその堂々たるスピーチに舌を巻いたものである。

 そして最近もうひとりの女性に感銘を受けた。それはニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相である。つい最近起きたクライストチャートのイスラム教モスクで起きた残虐な無差別銃乱射により50人もの犠牲者を出した事件で、首相自身が自ら迅速に行った遺族並びにイスラム教指導者への対応であり、加害者犯人への厳しい処置である。首相は事件発生後直ちにイスラム教徒と同じスカーフを纏って事件現場を訪れ犠牲者の冥福を祈ると同時に、犯人が売名行為で行った罪業だとして、犯人の名前を聞きもしなかった。

 何よりもアメリカのトランプ大統領と大いに異なる点は、後援者のご機嫌取りで選挙の有利性など意に介さず、良くないと思ったらそれを直ぐにも止めるよう行動することである。アーダーン首相は、銃の自由な保有が事件発生の原因のひとつであると断定して直ちに一部銃砲類の所有、販売を禁止する法整備を行うと語ったことである。首相自らが率先して間髪を入れず行動に移す機敏な実行力こそが政治家として一番求められることではないだろうか。進んで積極的に動こうとしない日本の政治家たちは、昨年6月に出産したばかりでまだ38歳で昨年6月に出産したばかりの若いアーダーン首相の前向きな行動力を大いに見習うべきではないか。

 日本でも女性の活力を利用すべきとの声が強くなり、第2次安倍内閣では女性活躍推進法を制定し政権下の最重要施策の一つと称している。だが、まだとても満足できる状態ではない。昨年4月現在女性議員の割合は衆議院の10.1%、参議院で20.7%でしかなく列国議会同盟では世界193か国中158位と、「女性活躍社会」とは程遠く先進国の中では最低だった。

 今あまり前向きな意味ではないが、EU離脱問題で苦闘しているイギリスのメイ首相も女性である。日本女性がもっと活躍出来る場を口で言うだけではなく、そろそろ法整備をして考える時ではないだろうか。

 さて、今日千秋楽を迎えた大相撲春場所は、横綱白鵬が全勝優勝で平成時代をきっちり締めて終わった。65年前の春場所は、京都市立中学の友だちと大阪府立体育館まで2度も観戦に行ったが、千秋楽には大関三根山が12勝3敗で初優勝を飾り、その後の優勝パレードで大関と握手したことが懐かしく思い出される。先日中学の同窓会に出席した時、一緒に相撲を観戦した友がやはり懐かしいと言っていた。大相撲観戦は、中学時代最後の楽しかった思い出として心に強く残っている。

2019年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com