先日読売文学賞を受賞された山崎佳代子さんの受賞記念トークショーが、今日御殿山のセルビア大使館で行われた。冒頭ネナド・グリシッチ大使のお祝いのスピーチがあり、その後山崎さんと神戸から来られた詩人・季村敏夫氏によるトーク合戦が行われた。山崎さんは友人洋さんの奥さんであるが、ベオグラード大学教授として教鞭を取る傍ら詩人としても内外で活躍されている。今日は、ゼミの仲間2人とともにトークを聴くことになった。
トークは終始山崎さんがリードする形で進められた。積極的に発言し、相手から聞かれるインタビュー形式だと思っていたところ、その逆で女性らしからぬリードオフウーマンぶりには脱帽だった。季村さんは20年前神戸で震災にあったので、主にその経験から、また山崎さんは1990年代のユーゴ紛争をバックにそれぞれの考えを披露した。山崎さんの受賞対象作品「ベオグラード日誌」は、夫の洋さんからいただき今読んでいるところだ。詩人らしい神経の繊細さが戦乱状況の空気の中でそこここに感じられる。山崎洋さんとは来月2日に鎌倉・江の島旅行をすることになっている。
さて、昨年ペンクラブの知人が1月から「日刊ゲンダイ」に連載執筆すると連絡があって16日に本人に会った時確認したところ、連載は2月一杯で終わるということだった。そこで、取り急ぎ1部を駅売店で購入した。随分精力的に執筆活動に携わっていることは以前から承知していた。すでに文庫本を4冊もいただいている。興味深いのは、彼の著作はすべて時代劇の捕り物帳であることである。「日刊ゲンダイ」に執筆しているのは、「阿弥陀小僧七変化」と題する大江戸推理小説である。得意なジャンルの中でよく活動していると敬服している。
ところで、少し脱線するが、この「日刊ゲンダイ」に目を通していて意外だったのは、同紙はギャンブルにかなり頁を割いていることだ。例えば、今日の新聞は32頁から成っているが、その内競馬ほかのギャンブルだけで全16頁も割いていることである。全紙の半分に当たる。これは一種の脅威である。これでは競馬新聞、或いは賭博新聞とした方が良いと思うくらいである。一方で、これほど日本にはギャンブル好きがいるのかと思うと空恐ろしくなってくる。
今世界は「イスラム国」を取り巻くテロで多くの犠牲者を出している。その最中にわが国が海外からギャンブル好き、平和ボケと言われるようでは、些か恥ずかしく情けないような気もしている。