4331.2019年3月22日(金) マリナーズのイチロー選手現役引退

 昨夜東京ドームで開催されたMLBの開幕公式ゲーム、シアトル・マリナーズ対オークランド・アスレチックス戦終了後、マリナーズのイチロー選手が引退を発表した。45歳にして現役生活を終えてグランドを去ることになった。日本のプロ野球で9年、大リーグ生活19年で数々の記録を作り、偉大な実績を残した。野茂英雄投手に次いで日本人が大リーグで活躍する門戸を開いた選手である。当初メジャーリーガーから日本人選手がメジャーで活躍出来る筈がないし、舐めるなと言われた時代に、マリナーズへ入団して活躍し、早々に新人王とMVPを獲得した稀有な選手である。

 日本における活躍も群を抜いている。入団3年目にしてプロ野球史上初の年間200本安打を達成して首位打者を獲得し、以後7年間に亙って連続首位打者の偉業を達成した。そのシーズン閉幕と同時に、マリナーズへ入団して早速目を瞠る活躍をした。2004年には、大リーグ記録を塗り替えるシーズン262安打を放った。日本で9年、アメリカで19年プレイして日米通算4367本のヒットを打った。メジャー・デビュー以来10年連続で、200本以上の安打を打ち、ゴールデン・グローブ賞を獲得し、オールスター戦出場を果たした。2006年、09年のWBCでは日本代表チームの連覇にも貢献した。日本人選手としては初のアメリカ野球殿堂入りが期待されている。

 昨日、一昨日行われたメジャー公式戦にアメリカを含む大勢のファンが東京ドームに押しかけたが、イチローの最後の晴れ舞台と知ってか、一種異様な空気が漂っていたようだ。2試合に出場したイチロー選手の成績は芳しいものではなかったが、終了後グランドからスタンドへ向かって長い間手を振ってファンの声援に感謝の気持ちを伝えていた。その後引退記者会見を行ったイチローの語り口も興味深く中々魅力的なものだった。

 これまでのプロ野球選手の引退で印象深かったのは、長嶋茂雄氏の「わが巨人軍は永久に不滅です」の言葉であるが、イチロー選手のグランドの幕引きと1時間20分に亘る記者会見も印象的だった。

 まだあまり期待されていなかったメジャーへ乗り込んで、予想以上の活躍をしてアメリカ人ファンを驚かせて大きな足跡を残したイチロー選手には頭が下がる。今後これだけの選手はもう現れないだろう。イチローは明日も体を動かすことは止めないと言っていた。ありきたりだが、「本当にお疲れ様でした」「ありがとう」という言葉以外に浮かんで来ない。

 イチローの引退については、今日の朝夕刊にかなりのスペースで伝えられた。朝日なぞは、朝刊にトップページから3面を使い、夕刊も朝刊同様に3面に亘って大きく取り上げられている。よほど今日はビッグニュースがないのかと思いきや、気になる海外ニュースが2つもあった。

 ひとつは、トランプ大統領がイスラエルが占領しているシリアのゴラン高原をイスラエルの主権として認めるとツィッターに投稿したことである。ゴラン高原と言えば、1967年の第3次中東戦争の結果、ヨルダン川西岸や東エルサレムと同様イスラエルが奪い占領した地域で、その後一方的に併合を宣言した。しかし、国連安保理事会はイスラエルの撤退を決議要求している。これを認めたのはアメリカというより、トランプ大統領だけである。トランプ氏は一昨年エルサレムをイスラエルの首都と宣言して、昨年5月にはアメリカ大使館を現在の首都テルアビブからエルサレムへ移転している。アメリカはイスラエルとの関係は良くなってはいるが、ことイスラエル問題に関する限り世界との関係は益々遠くなっている。

 もうひとつは、今月29日が期限とされていたイギリスのEU離脱が4月12日までひとまず延期されたことである。EUでは首脳会議を開き、取り敢えず短期間の延期を認めたが、イギリスが求める6月30日までの離脱延期は認めず、最後通告を突きつけた形である。この行方はどうなるのか、注視して見守りたい。

2019年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com