4317.2019年3月8日(金) 地方選を前に「都構想」に拘る大阪の迷走

 来月全国で統一地方選が行われる。その中で、大阪の知事選と市長選におかしな動きが出てきた。今年に入ってからそれとなく流れてきた噂に過ぎなかったが、実際に4月7日の統一地方選に合わせて知事選、市長選を実施すべく松井一郎現知事と吉村洋文大阪市長が今日辞表を提出した。そのうえで知事と市長が入れ替わって松井一郎現知事が大阪市長選に、吉村洋文大阪市長が府知事選に立候補して統一地方選挙に臨む。なぜこのような訳の分からない選挙戦術を取るのだろうか。

 そもそもこの問題が浮上したのは、現在の大阪行政を東京都と同じように大阪市を大阪府の特別区に編成し直して広域行政を府として一本化しようとの目論見があったからである。このための住民投票実施のために松井知事が代表を務める「日本維新の会」と公明党が意見調整したが、不調に終わったことによる。実は、4年前に同じ都構想について住民投票を実施したことがあるが、僅差で反対票が上回った。松井知事らにとってはリベンジであるが、ダブル選挙と都構想のいずれもがいまひとつ盛り上がらない。

 大体今年中に任期が終わるとは言え、事前にともに辞職して府と市のトップが入れ替わって統一地方選に再出馬する意味があまりよく分からない。無駄な費用もかかるだろうし、知事と市長が入れ替わる本当の目的と意味がよく分からない。例え僅差であったにしても僅か4年前に「都構想反対」の府民の断が下された結果に対して、異を唱えるかの如く税金を使って再び住民投票を行う必要があるだろうか。

 心ある大阪府民や大阪市民の気持ちを配慮しない、あまりにも我儘な手法だと思う。2025年には大阪で万博が開催される。こういう大事な時に、足並みの揃わない低レベルのモメゴトは極力排除するようにすべきである。そうでなくても大阪はカジノ誘致など賭け事のようなあまり評判の良くない施策に熱中し過ぎる悪い癖がある。

 さて、昨日、今日とかつて世間を賑わせた人物が相次いで世を去った。昨日歌手の森山加代子さんが癌で亡くなった。2歳ばかり私より若いが、同じ世代として♪チンタレラディルーナ~♪の唄い出しで「月影のナポリ」を唄って彼女がデビューした時の印象は強烈だった。そして今日プロレスラーのザ・デストロイヤーがアメリカで亡くなった。88歳だった。往年の力道山、ジャイアント馬場らとのバトルが熱狂的な人気を呼び、プロレスのテレビ視聴率が一時60%を超えたくらい持てはやされた。寂しいことであるが、これも時の流れというべきだろうか。

2019年3月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com