4316.2019年3月7日(木) 厳しくなった銀行経営

 近年銀行経営がかつてほどの甘味がなくなったと言われている。以前は、他人のふんどしで相撲を取る商売と言われていたが、経済構造が細分化され、高度化されるに従って銀行経営にもより強い経営手腕が求められる時代になったということだろう。

 最近の銀行は、証券会社の美味しいところを奪い取ろうとしていると証券会社からも警戒されている。日銀の金融緩和策によって一層経営が厳しくなったのは事実のようである。

 そこへ今日の朝日紙上に、3大メガバンクのみずほフィナンシャル・グループが今年度3月期決算見通しを大幅に下方修正するとの記事が掲載されていた。みずほと言えば、かつての第一勧銀、富士銀行、興銀が合体してひとつになった銀行で、3行のいずれを取っても日本金融界に君臨した大手銀行だった。そのみずほが、三菱、三井住友の2つのメガバンクの後塵を拝して、巨額の損失を計上すると発表したから意外な感がした。そう言えば、このところみずほ銀行内の自動預金引出機がしばしば一時停止すると公告がテレビで流され、何か不祥事か、深刻な問題が機器にまで及んでいるのかと考えたくらいである。

 とにかく約6,800億円の損失を計上し、純利益は800億円だそうであるが、当初は5,700億円の純利益を見込んでいたというから、単純に純利益は9割の減少ということになる。

 かつては、固い生業の最たるものと言われた銀行が、この時代の流れの中で日銀の金融緩和に付いていけなくなったということだと言われている。一方で、これに対して日銀の原田泰審議委員は、「大胆な金融緩和によって日本経済全体によいことが起きているのだから、それが金融機関にやってこないというのは妙だ」として、金融緩和による超低金利で経営が悪化しているという金融界の批判に反論した。そして、金融緩和がなければ、金融機関経営はもっと悪化していたと主張したそうだ。

 原田日銀委員の反論はともかく、確かに銀行が経営的に苦しくなったのは事実のようで、実際銀行支店におけるサービスは明らかに低下した。昨年4月ごろから一定数以上の新札を求めると手数料を要求され、現金引き下ろしの際にも金種の枚数に制限を課せられ、とにかく銀行窓口が使いにくくなったことは事実である。自分たちの厳しい経営責任を顧客へのサービス低下につなげないようにしてもらいたいものである。

2019年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com