2843.2015年2月24日(火) 安倍内閣は防衛省の文官統制を止めるのか。

 安倍首相の右翼的言動が目立つようになったことを、ひとつの程よいきっかけと見たのか、防衛省では密かに組織の改編を考えているようだ。その最大の要である文官統制が見直されようとしている。国防のトップである防衛大臣が選挙で選ばれた文官であることに変わりはないが、大臣と現場の制服組トップの間にいた文官背広組の事務次官、各局長、官房長を格下げして、彼らを制服組の各幕僚長と同格にし現場制服組の意見が大臣にストレートに伝わりやすいシステムに変更することを考えているらしい。尤も今では防衛大臣にしても自衛隊出身の中谷元氏である。

 そもそも現在の文官統制の仕組みができたのは、戦前軍部の暴走から歯止めが効かなくなり、戦争へ駆り立てる原因になったとの強い反省があったからである。それが戦後70年も経つとそんなことはけろっと忘れて、戦前の軍国日本と同じ制度へ先祖返りしようというのだから、反省も何もあったものじゃない。これは憲法改正へ向けて突き進む安倍極右政権のほんの一里塚に過ぎない。

 その内にわが国でも武器を保有している軍部がクーデターを起こし、軍人が首相になる恐れがまったくないわけではない。最近でもエジプト大統領やタイ首相に就任した軍部クーデターの暴虐的な例を見るまでもない。

 大体中韓両国から強い批判を浴びながら、罪もなく命を落とした一般市民への慰霊をあるべき形で考えるわけでもなく、性懲りもなく戦犯を祀った靖国神社参拝を繰り返したり、集団的自衛権行使容認をいとも簡単に閣議決定したり、自衛隊の海外派遣を検討したり、安倍政権の右翼的な傾向は強まる一方である。そこには、現在の政治家には戦争体験がないことが大きいが、それより何より戦争の残酷さをまったく理解しようとしない戦争に対する無関心と無知、そして戦争そのものへの理解の淡泊さがある。

 果たしてこのような右翼的なスタンスで、平和憲法を守り、戦争に巻き込まれないと自信を持って言えるだろうか。安倍政権が進軍ラッパを吹きならしひたすら戦争へ走りだしていることはまぎれもない。恐ろしい世の中になってきたものだ。

2015年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com