4315.2019年3月6日(水) カルロス・ゴーン日産元会長保釈される。

 昨年11月に日産会長だったカルロス・ゴーン氏は会社法違反、特別背任罪の容疑で逮捕されて以来、東京拘置所に身柄を拘束されていたが、今日108日ぶりに身柄を保釈され、工事人のようないで立ちで車に乗り込んだ。東京地検はこの決定を不服として、地裁に準抗告を申し立てたが却下された。東京拘置所前には、日本のメディアのみならず、海外からも多くの取材陣が待ち構えている状態である。日産の会長であると同時に、フランスのルノー会長でもあったゴーン氏は、日産に投資しているフランス政府とも緊密な関係にあり、フランス政府は今回のゴーン氏の長期身柄拘留について懸念を表明していた。海外メディアからは人質司法ではないかと日本の司法制度に対する疑問もぶつけられ、世界を揺るがす事件になっている。今日は朝からそのニュースで持ち切りである。

 ついては、今回3度目の保釈請求に対して、東京地検の準抗告にも拘わらず、保釈が認められたわけだが、過去2度に亘って保釈請求をした主任弁護士が交代したことも保釈に有利に働いたと見られている。特に新たに弁護団に加わった弁護士は、無罪請負人、「カミソリ」の異名を取る弘中惇一郎弁護士だが、最初にメディアに語った言葉が自信過剰気味なのが少々気になった。弘中氏は、「もう10年以上前の話で、これを刑事事件として訴えたことが奇妙であり、無罪を確信している」とまで言っている。例え古い話であってもあれほど悪辣に高額な報酬額を誤魔化し懐に入れて、会社の有価証券報告書に過少報告のウソを書くことが、無罪であると公然と話す感覚が少しおかしいと思う。どうも自信満々の弘中弁護士の思考回路は少々おかしいと思う。

 この先一体どういう結果になることだろうか。

 さて、昨日から中国では全国人民代表大会(全人代)が開かれているが、米中貿易戦争の影響を受け実体経済がかなり難しい局面にぶつかっているようで、今年度の経済成長率目標も2年ぶりに引き下げ、明るい展望などは聞かれなかった。経済の失速は共産党政権の求心力にも影響する。経済が縮小する中で少しでも気持ちを押し上げようというつもりだろうか、中国共産党が「学習強国」というアプリをリリースした。学習して国を強化するデモンストレーションかと思いきや、「習」を「学ぶ」、つまり習近平国家主席の発言を勉強することは、その他のあらゆる分野の学習よりも重要だと連想させる意味合いがあるらしい。何ともばかばかしいことである。かつての毛沢東主席を賛美する毛語録と似たような道筋を辿り、最後に挫折した文化大革命の二番煎じにならなければ良いがと思う。

2019年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com