昭和11年の今日、月日の通り2.26事件が起きた。ここ数年メディアではほとんど2.26事件を報道することがなくなった。わが国近代歴史上あれだけのクーデターは後にも先にもない。もし事件が成功したらきっと日本の歴史も大きく変わったであろう。2.26事件は中高生時代に必ず学んだ事件である。にもかかわらず、あれほど世間に驚愕を与えた衝撃的な事件をメディアがまったく報道しないというのはどういうことだろうか。実は、昨年も一昨年もそうだった。このブログでも毎年のように、2.26事件をメディアが伝えないことを指摘している。
案の定今日の新聞にも1行も書かれていない。テレビでも報道しないと思っていたら、NHK・BSで1時間番組「2.26事件に倒れる高橋是清・決死の攻防軍事費拡大を許すな!」が放映された。どんな中身か期待して観たが、やや思惑外れだった。2.26事件の中心である陸軍皇道派と青年将校の対立から青年将校が決起し高橋是清蔵相らを殺害したドキュメントを追うのではなく、それ以前の高橋の財政政策が焦点となっていた。結局高橋は国債を発行せずに財政的に軍部の要求に応えなかったことが、軍部の怒りを買った。しかし、この事件をきっかけに翌年日本は盧溝橋事件を引き起こし中国戦線を拡大し、やがてあの太平洋戦争へのめり込んで行くことになる。
2.26事件がマスコミで報道されないことに今のところ政治的な意図はないと思うが、今年は戦後70年ということもあり、太平洋戦争に関するイベントや、政治的な行事が行われると思う。
折も折しばらく鳴りを潜めていた自民党憲法改正推進本部が活動を再開した。船田元・推進本部長が「憲法改正に向けた環境整備がほぼ整ってきた。この通常国会からいよいよ中身の議論を鋭意進めて行く」と語った。何やらキナ臭い匂いがするというより、憲法改正へ向けてまっしぐらではないか。
それにしても2.26事件は今や遥か彼方へ消え去ってしまった。