4284.2019年2月4日(月) ODA援助のケニア・モンバサ港が担保に?

 今日の朝日朝刊を読んでケニアの中国からの融資に関する記事にびっくりしている。近年中国の発展途上国への融資が拡大し、それを返済できずに担保を中国に取られている情報をしばしば耳にする。中国の表向き「援助」と言われる融資がかなり高利とされ、返済出来なくなった例が大分あるようだ。中でもスリランカ政府が中国政府との返済でもめた南部ハンバントタ港整備工事のかたに同港の運営権を99年間中国政府に譲渡した屈辱的な事例がある。ケニアで問題になっているのは、中国が首都ナイロビとモンバサ間の鉄道施設を建設したとして中国がケニアに対して貸与した金額の返済に遅滞が生じたため、日本がODAで拡張工事を行っているモンバサ港の運営権を中国政府に譲渡するとのまことしやかな噂が現地で囁かれているということである。

 もう一点疑問を感じたのは、ナイロビとモンバサ間の鉄道建設と言われているが、そこにはすでに鉄道が敷かれていて1968年に私自身夜行1等寝台でナイロビからモンバサへ向かったことがあることである。決して古びた施設ではなく、モンバサ到着時間もほぼ定時だったと思う。サービス、乗り心地も良かった。それをわざわざ中国の巨額の「援助」を仰いで建設するほどのこともないと思える。

 記事によると見出しには「日本整備の港・・・中国の担保に?」とか、「不透明な契約『債務のわな』懸念する声」と現地でも疑心暗鬼のようだ。

 モンバサではキリマンジャロを眺望すべく同地でタンザニア入国ビザを申請したが、一旦発給されたビザが私の旅券上の渡航先国欄にタンザニアが記入されていなかったため、その直後に取り消され、雪のキリマンジャロを見損なった苦い経験がある。その折モンバサで訪れたフォート・ジーザズがその後世界遺産に登録されたという愉快な思い出もある。

 今日ドイツのメルケル首相が来日し、安倍首相と経済協力について話合ったようだ。メルケル首相の最大の目的は、中国の知的財産権の侵害によって市場を荒らされたドイツとして日本とともに中国への対応を話し合うことのようである。ドイツは中国との貿易量がアメリカを抜いてトップにまでなったが、最近知的財産を犯されるような事件が多発したこともあり、対中貿易を再検討したいと考えている。中国に関する問題はつくづく難しいと思う。ドイツも日本もお互いに知恵を出し合い、中国にグーの音も出させないよう真っ当な言い分を主張してもらいたいものだ。

2019年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com