4283.2019年2月3日(日) のどかな節分気分に水を差す米ロのINF離脱

 今日は節分である。成田山新勝寺で有名人が豆まきを行うのは年中行事になっているが、来年第13代市川団十郎を襲名する成田屋・市川海老蔵一家を主に、横綱白鵬、NHK大河ドラマ出演者らが内揃って舞台から豆まきを行っていた。まだ会社勤めのころは毎年正月明けに新勝寺にお参りしていたものだった。それにしても今日は日曜日と重なったので、随分大勢の参拝客が訪れていた。華やかな正月から春にかけて平和そのものののどかな風情が落ち着いた日本の文化を表しているのではないかと思う。

 ところが、世界では米中対立が懸念される中で、大国同士の対立が露わになってきた。アメリカのトランプ大統領が中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱を表明するや、ロシアのプーチン大統領もこれを受けて立つ感じで条約の履行停止をし、新型ミサイルを開発する対抗手段を宣言した。アメリカはアジアでも中距離ミサイルを配備する計画のようだが、こうなると日本も軍事大国のミサイル軍拡競争に巻き込まれかねない。仮にアメリカが陸上配備型中距離ミサイルのアジア太平洋地域への前方展開に踏み切れば、日本の安全保障環境への影響は避けられない。トランプ氏のINF条約からの離脱宣言はTPP、パリ協定離脱と同様に、まったく他国と協議する姿勢が見られず、気に食わないから止めるとまるで駄々っ子のようである。

 このまま核開発戦争がエスカレートした場合、現在の沖縄米軍基地が同じく核開発を進めている中国の射程距離に入ることによって、トランプ氏は日本にも核抑止力を備えた防衛体制を国内の自衛隊基地に設置することを望むであろうし、それを安倍内閣が容認するのではないかと推察される。日本国内も一触即発の核防衛システムを整備するようなことになり、「専守防衛」なんて絵に描いた餅になる。アメリカと中国、ロシアとの対立が日本にも大きな圧力を加えることになる。

 それにしても長い冷戦を経て、1987年漸くレーガン大統領とゴルバチョフ書記長が調印したINFをいとも簡単に離脱しようとする軽薄さには失望するばかりである。トランプ大統領が離脱宣言をした背景には、米ロを差し置いて中国が核開発を進めている事情もある。しかし、トランプ大統領には失望させられることばかりである。こんな世界の指導者にはさっさと退場して欲しいものであるが、弾劾の可能性は薄く、来年の大統領選で敗北を期待するより他に術はないか。

2019年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com