この一週間大きな話題となっていた川崎市の中学生刺殺事件の犯人3人が昨日逮捕された。いずれも未成年の18歳のグループ・リーダーと17歳の2人の少年による犯行だった。あまりにも非道な殺害に対して世間の目は厳しい。だが、すでに事件は起きてしまった。事件の原因は何だったのか、今関係者の間で慎重に事件の分析と原因、そして再犯防止策が検討されつつある。こんな卑劣で残虐な事件はもう2度と起こして欲しくない。
ところが、海外でも衝撃的な殺人事件が起きたのである。ロシアの野党党首でかつてエリツィン大統領の下で第一副首相を務めたボリス・ネムツォフ氏が、昨深夜クレムリン宮殿近くの橋の上を友人と歩いていた時に走行してきた車から銃で狙い撃ちされ殺害された。明らかにネムツォフ氏であることを知ったうえで殺害したことから、政権側が反政権デモを企画している同氏を抹殺しようと企んだと見られている。
特に明日3月1日にモスクワ市内で反政権デモが計画されていた。事件が起きたのは正にその直前のことである。同氏はクリミア半島のロシア併合に反対していた。プーチン大統領にとっても目の上のタンコブだったようだ。その辺りにプーチン派によるネムツォフ氏殺害の疑いが浮上してくる。プーチン大統領は直ちに犯行を非難する声明を発表し、殺害は暗殺との見方を示し、特別捜査本部を設置し自らの直轄とした。しかし、果たして事件の真相はどうなのか。どうもプーチン大統領の周辺には、濃い霧が発生しているようだ。
それに比べると一昨日初来日されたイギリスのウィリアムス王子の爽やかな笑顔は、人間味を感じさせてくれほのぼのとする。王子は今日東日本大震災で大きな被害を受けた福島を訪れた。滞日4日間で京都、奈良などの観光地へは行かず、日本人の魂に触れることができる震災の地へ敢えて向かった。
これには、2つの理由がある。ひとつは、母故ダイアナ妃が慈善事業に熱心だった影響が大きい。もうひとつの理由は、事前に在日イギリス大使館が、日本人にどの都市を訪れて欲しいかアンケート調査をしたところ、一番訪れて欲しい都市が東北大震災被災地だったという。それを王子は受け入れた。王子も気苦労が絶えないであろうが、あまりそんなことは顔には出さず、気さくに東北の人々と交流していたところがお人柄であろうか、好感度が益々高まっているようだ。こんなニュースは微笑ましくてほっとする。