今年の読売文学賞を受賞された山崎佳代子さんの夫で、友人の洋さんが明日ベオグラードへ帰る前の束の間の一日の今日江の島と鎌倉巡りを楽しむことを約束していた。
心配していた天候は、昨日は雨だったが今日は幸運にも朝から晴れだった。しかも明日は雨の予報に、我々はきっと晴れ男なのだろうとニタリ。ゼミの長谷川くん、山崎さんと小田急新宿駅で待ち合わせ、冬の間は午前中唯一の江の島行ロマンスカーで江の島へ向かった。ロマンスカーに乗るのも久しぶりだが、友人2人にとっては初めてのようだ。
江の島では一応観光箇所は見て、鎌倉は寺社を中心に時間、疲労具合と相談しながら適宜スケジュールをアジャストしようと考えていた。江の島内をぶらつくのも子どもが小さい頃連れて来て以来である。江島神社で弁財天を拝み、展望塔へ昇り真白き霊峰富士山を正面に眺め、ありきたりだがつくづく富士は日本一の山だと痛感する。その後洞窟内の岩屋に入り、ここが江の島の発祥の場所であることを知った。正に♪真白き富士の嶺 緑の江の島~♪の通り、かつては地元だったこの湘南海岸の醍醐味を満喫させてもらった。
昼食は希望通りさざえの壺焼きとシラスを食することができた。流石に地元の特産は旨い。江の島では、気になったことが2つあった。ひとつは、昔展望塔下で羽根を広げてくれたクジャクが残念ながらもういなかったことである。係員に聞いてみるともう飼育していないということだった。もうひとつは、珍しいことに桜が早咲きであちこちに咲いていたので、不思議に思ったところ伊豆・河津地区で今咲き誇っている「河津さくら」ということだった。
その後江ノ電に乗りこれまで訪れたことがなかった長谷寺へ行きお参りした。梅の花がちょうど見ごろだった。初めて見た観音像はその立ち居姿が威厳のあるもので、神々しい印象を受けた。欧米人が三々五々訪れていたが、彼らにとっても随分興味深そうな様子に見えた。
その後鎌倉駅から小町通りを歩いて鶴岡八幡宮へ向かいお参りした。帰路は若宮大路を歩いて来たが、何と大路を貫いている中央部分の桜の遊歩道が板張りされ、道路の反対側の商店や歩道の様子も皆目分からない。どんな工事をしているのか外からはさっぱり分からない有様である。今まで桜並木が鎌倉のチャーム・ポイントのひとつだっただけに、この工事の行方が気がかりであ る。今度この近くに住んでいる高校の友人に尋ねてみようと思っている。
2人の友人とは横浜駅で別れて6時には帰宅したが、すでに万歩計は2万4千歩を記録していた。朝からかなり歩いたし、江の島内ではアップダウンも激しかったので、ふくらはぎが少々痛くなりかなり疲労を感じた。
しかし、好天下に気の合う友人と天下の名勝・江の島と鎌倉を思うがままに歩き、食べたいものを食し、貴重な文化遺産に触れることができて幸せな一日を過ごせたと思っている。
遥々セルビアからやって来た山崎洋さんも小学校時代に江の島を訪れて以来だと言って喜んでくれたので、それだけでも充分である。いずれゼミの仲間たちと異なったスケジュールでこんなのんびり旅行をまた楽しみたいと思っている。今日は少々疲れたが、これからゆっくり休いたい。