4282.2019年2月2日(土) 県民投票に沖縄全市町村が参加、しかし?

 今月24日に沖縄で普天間から辺野古へ米軍基地移設を問う県民投票が行われる。いくら知事以下県民が反対を唱えても政府が一向に聞く耳を持たないことに対して、沖縄県として県民の生の声をそのまま政府に突き付けて移設、というより辺野古埋め立て工事を思い止まらせようとの考えである。ところが5人の保守市長が県民投票を行わないと言い出した。仮に5つの市で県民投票を実施しなかった場合、有権者の約3割が県民投票に参加出来ず、全沖縄の声をアピールするには力強さがないということから玉城知事以下移設に反対する県民にとっては頭の痛いところだった。結果がどう転ぼうと保守派が県民の真意を捻じ曲げられる恐れがある。そこで何とか県民投票を実施したいと知事が市長へお願いしていたが、けんもほろろだった。そこで知事派は一計を案じた。「賛成」「反対」の二者択一の選択ではなく、主体性のない「どちらでもない」という中途半端な選択肢を加える、つまり3つの選択肢「賛成」「反対」「どちらでもない」の中からひとつを選ぶことになった。この曖昧な声を加えることによって、保守的な市長は県民投票を受け入れることに同意した。しかし、この選択肢は賛成、反対のどちらとも受け取れ、この立場を明確に打ち出さない票が多数現れたらどう始末をつけるのか、問題を複雑にするような気がしてならない。つまりこの「どちらでもない」が為政者に都合よく解釈される恐れがあるということである。自分の有利なように話を納めるのが得意の安倍首相以下政府関係者に利用されないよう、国民はもとよりメディアがしっかり監視する必要がありそうだ。

 かつて大分県佐伯市、千葉県白井市、埼玉県狭山市で市町村合併に関する住民投票で、これと似た「どちらでもよい」が導入されたことがある。最大だった佐伯市の場合約12%が「どちらでもよい」だったらしいが、ひょっとすると沖縄のケースはもっと増える可能性もある。米軍基地移設に関わる問題は沖縄だけではなく、日本各地の米軍基地問題でも考えられる問題であり、決して「どうでもよい」わけではない。それが賛成派、反対派に都合よく利用されることが心配である。それだけに5人の市長の同意を取り付けたうえで、「賛成」「反対」の二者択一を採用した方がよほどすっきりすると思っている。何とか説得出来ないものだろうか。

2019年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com