4262.2019年1月13日(日) 政府はなぜ日米地位協定を改定しないのか。

 以前から日米安保条約で承認しているとは言え、日米地位協定に拘束されて在日米軍が日本国内で犯した罪を、日本が警察権も、裁判権も行使出来ないまま半世紀以上に亘ってそのままにしているのはおかしいと思っていた。それはごく普通の日本人なら誰でも疑問に思うところだと思う。60年安保闘争で、我々学生は安保改定に強く反対したが、自民党の強行採決により法案は通り、その理不尽な日米地位協定というものが容認された。

 この当時は、まだ日本政府にはアメリカに遠慮し、おもねるところがあってアメリカ政府の言いなりだった。だが、同じ敗戦国でもドイツ、イタリアに駐留していた米軍は、国際法通り裁判の主権は米軍に明け渡していない。日本政府はこれまで日本の法律を米軍に原則適用しないと説明していた。その理由について昨今政府は腰砕けのように、敢えて国際法に触れることをやめると述べた。これがよく分からない。どうも基地問題が騒がしくなり、その点への批判の高まりをかわすためにそういう屈辱的なことを言い出したようだ。

 日米地位協定については、本音は別にしてアメリカ政府は国際法上受け入れ国の法律に従うのがルールとの見解を了解している。それなら日本政府がアメリカ政府内に一部反対があろうとも、日米が対等な立場に立つという観点から真剣に交渉して不利な日米地位協定を変更させることは可能である。日弁連も領域主権から考えて米軍に対しても日本の法令の適用が原則であると述べている。日本政府だけが腰が引けているのである。政府は正面から答えることをせず、重箱の隅をほじくる言い訳のような主張を繰り返しているばかりである。しかし、これでは沖縄問題を始め国内で噴火口となっている米軍駐留問題を益々難しくするばかりか、アメリカへの忖度のあまりアメリカの属国と変わらない状態を放置するだけである。

 国会議員に過剰な忖度をしている外務省は、説明から国際法を削除したことについて、「原則不適用」の根拠となる国際法があるという見解は変えていないなどと支離滅裂なことを言っている。これでは、当分日本はアメリカに対して独立国どころか、植民地的対応をされることになる。歴史の逆行である。これで日本は世界に向かって経済大国と言えるだろうか。

 明日成人の日であるが、1日繰り上げて今日成人式を行った自治体がかなりある。60年前に成人の日を迎えたが、当時は何らの催しも行事もなかった。仮に今日のように賑やかな成人式に招かれたとしても、当時浪人生活2年目で大学入試を目前にしては出席など出来なかっただろう。近い将来成人年齢が現在の20歳から18歳に変わる。騒がしく誘惑の多い現代社会で18歳になったばかりの若者に多くを期待することは難しいが、せめて沖縄県民の生活環境を厳しくしている日米安保条約についてもう少し関心を持って欲しいと願っている。

2019年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com