2876.2015年3月29日(日) 安倍首相の止まらない暴走ぶり

 お花見の時期になると大概一度は雨が降る。今日は毎年恒例となった関東地区の高校7人制ラグビー大会が横浜・山手のYC & ACで行われた。著名な文武両道の公立、私立高校が関東地区ばかりでなく、静岡からもやって来る。母校湘南高は2勝1敗でブロック2位だった。しばらく昔取った杵柄のオジさんたちの交流試合を観ていたが、所用があったので懇親会には出席せずに降りだした雨の中を帰って来た。

 さて、いま安倍首相の傲慢な態度と強引なリーダーシップぶりが話題になっている。絶対多数の支持を背に、怖い者知らずで「ここは殿のお通りだ。下に~下に~」とばかり、周囲の声に見向きもせず、まっしぐらに激走する安倍首相の行動を不安視し、心配する声が段々強くなってきた。いまや自民党内で誰もブレーキをかけられなくなって、首相のやりたい放題になっているからである。あれだけ威勢の良かった石破茂・前自民党幹事長にしても、とんと声が聞かれなくなった。他の親分衆らは推して知るべしである。

 今朝の朝日新聞は社説のみならず、3面ではほぼ全頁を使って2人の有識者、杉田敦・法政大教授と長谷部恭男・早大教授が批判的な対談を交わす中で、その首相の思いこみの強い持論を危険と考えて先行きを危惧している。前のめりの首相の言動には、車でいう「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能のバランスが欠けて、「走る」一辺倒になっているという。つまりアクセルを踏んで前へ進むだけだというのである。昨年の総選挙の折に自らメディアに注文をつけた、言論の自由への介入と受け取られかねない行動や、そうかと思うと国会で報道への介入として批判されるや、言論の自由と言って憚らない的外れの言動は些か異常である。その一方で、「私に議論を挑むと論破されるのを恐れている」「それくらいで委縮してしまう情けない人たち」と自信が嵩じて思い上がるのも人一倍となった。自分自身シャープでないことをコンプレックスに感じていた首相が、いまでは思い上がって周囲に敵なしの発言である。世間知らずが嵩じて絶頂期を迎えると陥るコンプレックス症候群である。

 防衛大学校卒業式と国会では、自衛隊をわが軍と呼んで舞い上がり、ひとり荒野を往くの心境に満足しているのだろうか。答弁席からヤジを飛ばしたり、歴代の首相がやらなかった不作法には、首相の品格も国会の品格もない自由過ぎる首相像である。首相が首相なら、お傍役人の菅官房長官も最近は首相の言葉をそのまま認める発言をするし、チルドレンの三原じゅん子議員に至っては、国会で「八紘一宇」を「日本が建国以来大切にしてきた価値観」と述べて知ってか知らずか、戦前軍国主義時代に崇拝された国粋主義の真髄を喋り出したり、親分が親分なら下々の子分まで、ひたすら戦前思想へ回帰し出した。わが国は随分乱暴な総理大臣を抱えることになったものである。危険な時代になり良識ある国民はハラハラするばかりである。

 リー・クアンユー元首相の国葬出席のため、今日早朝慌ただしくシンガポールへ旅立った。

2015年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com