4201.2018年11月13日(火) アムネスティがスーチーさんへの授賞を取り消し

 昨日の続きになるが、パリで行われた第次世界大戦終結100周年記念式典に出席したトランプ・アメリカ大統領は、各国首脳が凱旋門前で揃って献花した後に開かれた国際会議には出席しなかった。よほどマクロン大統領の自国利益第一主義のナショナリズムを批判したスピーチが気に入らなかったようだ。気に入らないとすぐ駄々をこねる子どものようなトランプ氏が、これから対立する世界の中で上手にやっていけるのかどうかどうも気になって仕方がない

 さて、今日の夕刊を読み、あまりにも常軌を逸した行為に愕然としている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが2012年にミヤンマーの国家顧問アウンサンスーチーさんに授与した「良心の大使賞」を取り消すと発表した。理由は他でもない、少数派イスラム教徒ロヒンギャへの迫害や、ジャーナリストらの身柄拘束など言論の自由の弾圧を許していることを理由に挙げている。そもそもロヒンギャ問題は根源的にはスーチーさんに関わる問題ではなく、第2次世界大戦中のイギリスの植民地政策にある。それに対してイギリス政府を責めることなく、ミヤンマー民衆のために闘ってきたスーチーさんを責めるのはいかがかと思う。それが人権団体アムネスティの立場と責任であろうか。

 これは、アムネスティだけに限らず、国連本部や加盟各国が真実を知らず、ミヤンマーに罪を押し付けているだけである。そもそもことの発端は、イギリスが戦前東インド(現バングラディッシュ)領内に居住していたロヒンギャ族を同じく植民地支配していた当時のビルマ(現ミヤンマー)へ強制的に大量移住させたことである。当時から貧しかったミヤンマーには、どうにも打つ手がなかった。悲しいことにそれが今日まで続いているのである。仏教徒が圧倒的に多いミヤンマーとイスラム系民族とは融合しあうことはなかった。それが今日になってミヤンマー人は、自国内で生活するロヒンギャを厄介だとしてトラブルとなっている。

 問題は今日これだけ大きな人権侵害となっているにも拘らず、国連を始めとして各国が真実と実態を知ろうともせずに、居留地からロヒンギャを追い出したとして一方的にミヤンマー政府を非難していることである。まず為すべきは、国連が実態調査をすることであるが、先ずもって原因を作ったイギリス政府に積極的に支援するようアドバイスすることであり、イギリスは自ら犯した罪を償うためにも率先して救済活動に乗り出すべきではないだろうか。これら一連の事件について世界中のメディアの動きも遅いし、真実の究明のために何ひとつ活動していないように思える

 これほど国連を始め世界中が悪い意味で足並みを揃えて知らん顔をし、悪辣な宗主国イギリスによって重い荷物だけを負わされたミヤンマーを責めるのは、あまりにも残酷であり、ミヤンマーの尊厳を傷つけることにならないだろうか。いくら真実をアピールしても中々理解しようともせず、いじめ派だけに付いているのは、民主主義に悖るのではないか。不愉快極まりない話である。

 さて、今日知った喜ばしいニュースは、アメリカ大リーグ(MJB)で今年度の新人王にアナハイム・エンジェルスの大谷翔平選手が選ばれたことである。日本人選手としては4人目である。大谷選手はベーブ・ルース以来100年ぶりの二刀流選手として、アメリカでも注目されていた。今年はケガのため、シーズン中途から投手としては登板せず、打者に徹していたが、投手としても4勝を挙げた。

 この勲章について国内各界から広く賞賛されているが、その内のひとりである解説者の張本勲氏はいつも        MJBをこき下ろしていた人物である。それがどういう風の吹き回しか、張本氏の今日のコメントはべたぼめだった。日本ハム入団当時は前例がないことから二刀流に強く反対して、いずれダメになる前に打者か、投手に決めた方が良いと厳しいコメントをしていた。活躍している選手なら自らの信念には捉われないということか。それにしてもこういうコメントを哲学のない張本氏に聞こうというNHKもNHKである。

2018年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com