今日冷え込むことは天気予報で承知していたが、その寒さがこれほどとは思わなかった。宇都宮のような北関東地方ならいざ知らず、埼玉や銚子、八王子でも降雪があった。都心部の正午の気温は、何と真冬並みの3.0℃だった。因みに一昨日は20.9℃、昨日は10.6℃だった。いかに急激に気温が下がったかが分かる。朝から雨も降っていた。
この雨の中を六本木の全日空ホテルで開かれたアジア・大洋州各国協力によるチャリティーバザーに妻と車で出かけた。このバザーは、今年の委員長がミクロネシア連邦のフリッツ大使夫人でもあり、昨年に続いてミクロネシア連邦大使館から勧められて出かけたものである。今日の会場は昨年に比べても外は寒いが中は熱気がむんむんとして、押しあいへしあい人が溢れんばかりだった。2つの会場は想像を超えるほどごった返していた。ただ、中々珍しい試みでもあり、妻は結構エンジョイしているようだった。土産品販売屋台では顔見知りの女性大使館員が笑顔で応対してくれた。会場内のほとんどが女性だったが、女性には興味をそそるような物産を販売している各国の物産店がひしめいていたので、ちょっとした観光気分で気軽にショッピングしたり見学してみるのも面白いのではないか。ある面ではリラックスできた一日だった。
さて、今日天皇・皇后両陛下がパラオを訪れた。早速パラオではレメンゲサウ大統領夫妻主催の歓迎レセプションが開かれた。今晩は窮屈な海上保安庁の巡視船「あきつしま」で宿泊され、明日ヘリコプターで最大の激戦地ペリリュー島へ飛び日米戦死者の霊を慰める慰霊祭に出席される。この両陛下巡拝は、天皇の強い希望で実現した。というのは、天皇には太平洋戦争について4つの忘れてはならない日があるという。それは、広島と長崎原爆投下の日、沖縄激戦の日、そして終戦記念日である。それほど先の戦争に強い感慨と思い込みのある天皇である。それだけに今日の巡拝は、天皇にとって念願叶った旅ということが言えるかも知れない。
テレビ各局も両陛下のパラオ巡拝をあらゆる角度から伝えている。パラオには5回ほど、ペリリューへは一度だけ訪れたことがある。ペリリューでは民宿に泊まった。両島の戦争の名残りである朽ちた戦車や大砲を画面で観ると、現場を訪れた30余年前をまざまざと思い出させられる。今朝羽田空港で両陛下をお見送りした安倍首相には、戦没者を想い戦争はやってはいけないという天皇のお気持ちが、どれほど分かっているだろうか。