4177.2018年10月20日(土) サウジ政府が記者死亡を発表

 昨日本ブログに取り上げたばかりのサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏行方不明事件について、サウジ政府が今日コメントを発表したが、また新たな問題を提起している。カショギ氏は、2日イスタンブールのサウジ総領事館に入ってから忽然と行方不明になり、国際社会でも総領事館内で殺害されたのではないかとの疑念が交錯していた。そんな折、今日サウジ政府はカショギ氏が館内で死亡したと初めて認めたが、それによると館内でカショギ氏とサウジ政府関係者が口論から喧嘩となり、カショギ氏が亡くなったという浮世離れした話で俄かには信じがたい。そもそもカショギ氏が総領事館を訪れた日にサウジから特別機で15人の政府当局者が入館し、その日の内に彼らが出国したというのも奇妙だと思う。しかも、その中の軍パイロットがその後に亡くなっている。

 事件の背景にはサウジの実力者ムハンマド皇太子が絡んでいるとの噂があるが、今日の政府コメントではこの点については一言も触れていない。情報機関の副長官や王室顧問ら5人を解任したことで皇太子は責任逃れをしているように思える。

 サウジは世界最大の石油大国で他に産業がなくても自然にお金が国に入って来る仕組みが出来ている。その国家を牛耳っているのが王族で、その中で実力を握っているのがムハンマド皇太子であり、アメリカから武器や航空機を大量に買い付けることによって、アメリカを味方に引き込んでいる。これに対してアメリカは「正義の味方」としてサウジを糾弾し、真実を明らかにすることが出来るだろうか。サウジとともにアメリカも鼎の軽重を問われている。

2018年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com