4176.2018年10月19日(金) サウジアラビア人ジャーナリスト不明の謎

 世の中には奇怪な事件があるものだが、昨今世界中で話題になっているのが、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が行方不明になった事件だろう。今月2日にトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館に入館してそのまま行方が分からなくなってしまった。大使館や領事館のような外国公館というのは、所在するによって治外法権が守られ外交官の生命は完全に保護され、下手に手出しが出来ないようになっている。にも拘わらず、浮世離れした怪談に各国の注目が集まっている。その日の内に総領事館内でカショギ氏は殺害されたのではないかとの噂が絶えない。実際当日サウジから特別機で軍医を含む15人からなるチームが総領事館へ入り、その日の内に立ち去った。そのチームの空軍パイロットは、サウジ帰国後亡くなったこれも謎である。また、カショギ氏周辺にも首を傾げる残虐な事件が相次いて発生している。そのひとつに先妻との間の長男が、父はムハンマド皇太子と国によって殺害されたと言って間もなく自身は殺害された。更にカショギ氏の弟夫婦も惨殺された。

 アメリカ政府としては、不協和音の聞こえるトルコへの牽制上サウジとの現在の外交関係を維持せねばならず、かと言って殺害にムハンマド皇太子が関与しているのではないかと世界中から非難されるようになった、サウジとの関係をこのまま放置するわけにもいかない。薄々この事件にはムハンマド皇太子が絡んでいることを知りながら、商売上大得意先のサウジにあまり冷淡な態度も示せず、流石のトランプ大統領も頭を抱えているようだ。

 とにかく現代において国がかりで殺人事件を犯して、闇に葬ろうとしているが、こんな悪辣で破廉恥な手法を実行しようとしても、世界中が見ている。もしこのまま殺人鬼に何の咎もないとするなら、いずれかつて我儘のし放題だったエジプトのファルーク国王ら親族が、ナセル将軍によって追放されたように、サウジにも正義感の強い「ナセル」が現れ、王制転覆が現実味を帯びるようになるかも知れない。

 いずれにせよ、このまま事件を闇に葬るということはないだろう。

2018年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com