2891.2015年4月13日(月) 年々下降する投票率、ついに戦後最低

 昨日行われた統一地方選前半戦の結果が公表された。自民党と共産党が当選者数を伸ばしたのに対して他政党は伸び悩みか、大きく座席数を減らした。この傾向は2012年の総選挙で自民党が勝って以来ずっと変わらない。とりわけ10道府県の知事選挙は、自民党が推す候補者が全員当選の10戦10勝というのだから信じられない。この知事選挙で特徴的なのは、10人のうち元テレビキャスターだった黒岩祐治・神奈川県知事を除く9人が揃って官僚出身であるということだ。逆に言えば、地方の最高権力者である知事になろうと思ったら、国立大学に入り国家公務員になり、その間地方の役所に顔つなぎをしておけば、自民党後援・支援候補者の椅子を与えてもらえ、多くの見ず知らずの住民から「知事に選ばれる特権」を得られるということなのである。要するにあの手この手でいち早く布かれたレールに乗ってしまうことが、地方のお山の大将になる秘術なのである。

 現在の選挙制度から言えば、これ自体は何ら法律に触れるものではなく、さりとてどうにも民主的と言えるものでもない。ただ、こういう傾向は世間をしらけさせ、選挙への関心を失わせることは間違いない。投票率が軒並み低下しつつあるのも、この辺りに大きな原因がある。

 実際10知事選と5つの指定市長選の投票率は、4地域を除いて大きく下がっている。5つの地域では戦後最低の状態である。道府県議選が行われた41の自治体のうち何と40の自治体で戦後最低の投票率である。指定市議選が行われた17市でも新人市長が選出された札幌市を除く16市で、戦後最低を記録した。最早こんな異常な状態をこのまま放置しておくわけにはいくまい。少なくとも接戦だった札幌市が選挙民の関心を引き付け、投票率を上げたことを考えれば、知事選のように国が、或いは前の自治体権力者やボスが残した遺産を密室で決め、まやかしに見えるルールの下で選挙に弱い対立候補者に対して決着をつけたからと言っても、とても民主的、或いは公平とは信じられない状況になっている。どうにかして現在の選挙制度を変革するか、お土産持参で自治体に天下りする官僚出身知事候補者にブレーキをかける手立てを講じないと、日本もいずれ中国や、北朝鮮のような「右向け!右!」国家に変貌するのではないかと心配になる。

 果たして再来週の統一地方選後半戦はどうなることやら。

2015年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com