4150.2018年9月23日(日) ロシアのドーピング停止処分解除に日本が賛成とは!

 「彼岸の中日」の今日、朝日朝刊の「社説」を読んで些か驚いた。テーマは「ドーピング問題」で、「禍根残した処分の解除」とある。

 このほど世界反ドーピング機関(WADA)が、ロシアの国家ぐるみのドーピングによる資格停止処分を条件付きで解除した。これに対して社説はスポーツの公平性と信頼性に欠けるとしてロシアの停止処分解除を強く批判したものである。ロシアは罰金支払いや再発防止に向けた法整備は認めたものの、国がらみのドーピング違反は終始認めていなかった。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)は、2016年リオ・オリンピックと18年平昌オリンピックへロシアの国としての公式参加を認めなかった。ロシアは依然として政府の関与を認めていないが、IOCがスポーツ大国ロシアに対して毅然とした対応が取れず、今回事態が曖昧なままロシアに甘い対応で停止処分を解除してしまった。

 この背景には、世界的に大きな大会はロシアなしには飛車角落ちの印象が残り、記録的にもレベルダウンを免れず、集客力を懸念したIOCがロシアの意向に折れたというのが本当のところのようだ。

 社説には次のように書かれている。「ロシアは14年ソチ五輪、18年サッカーW杯に続き、23年にはアジア大会に相当する『欧州競技大会』の招致に動いている。これを成功させたいIOCの思惑と重なり、まさに『政治』優先で事が進んでいる感が深い」。

 私がショックを受けたのは、日本の対応の件についてである。日本がロシアの処分解除に賛成したことである。ロシアの参加を得て2020年東京オリンピックを盛り上げたいと願っている日本は、見かけの成功のためにスポーツの本質をゆがめてしまった。社説はその罪は極めて重いと断定している。強い衝撃を受けたのは、ロシアの処分解除に賛成票を投じた人物が、世界反ドーピング機関(WADA)の理事を務め、よく知る水落敏栄文部科学副大臣だったからである。

 水落副大臣は、日本遺族会会長を務めているが、私はかつて遺族会職員時代に中部太平洋戦没者遺骨収集事業で20年近くに亘って毎年のようにともにサイパン島に滞在して気持ちの通いあう人だった。昨年夏の全国高校野球大会閉会式では文部大臣代理としてスピーチを行い、その数日後久しぶりに電話で話し合ったものだ。あの真正直な水落さんが、戦争遺族ということもあってやや保守的ではあるが、戦争とも、教育とも一切無関係なロシアのドーピング停止処分解除に1票を投じたとはとても信じられないことであり、少々面食らっている。

2018年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com