4146.2018年9月19日(水) アメリカの一方的な対中国貿易高関税

 「アメリカ・ファースト」なんて自国優先ばかり言い張っている保護主義の国が、身勝手なことを言いながら、貿易相手国に無理難題を吹っかけて相手国を困らせる。これが今アメリカが対米貿易黒字国に対して行っている理不尽な嫌がらせである。かつてこれほど自分勝手な我儘行為を行うアメリカは存在しなかったと思う。トランプ大統領になってからアメリカは無節操で短絡的な手段を行使する変質的な国になった。

 アメリカが最初に言いがかりのようなことを言い出したのは、中国に対する知的財産侵害が理由だった。だが、これではそれほど阻止にはつながらないというアメリカ議会や、産業界の反発も根強い。

 対中関税の高関税措置は、7月に第1弾として340億㌦が、8月には第2弾として160億㌦だったが、今月24日に発せられると見られている2000億㌦の第3弾は、知的財産だけではなく、雑貨や衣類、家具にまで及んでいることが心配である。なりふり構わぬ中国への圧力である。中国からの輸入額は5056億㌦だが、アメリカは第4弾として残る2670億㌦にも高関税を課すつもりのようだ。

 米中貿易戦争も佳境に入ってきた。ただ、中国も言われるままに手を拱いているわけではなく、報復的な対応によって、必ずしもアメリカの思う壺とはなっていない。現在アメリカの景気が好調で輸入が増えていることや、中国の報復関税が影響していることもあって、アメリカの対中貿易赤字はむしろ悪化傾向にある。実際7月には、アメリカの対中輸出が前月比で8.2%も減少している。貿易赤字は5.2%も増加した。それに中国からの安い輸入品の恩恵を受けていたアメリカ人低所得階層にとっても大きな打撃となった。

 対外貿易の本来の目的であるお互いの取引を伸ばそうというのではなく、減らそうという本旨とは逆行するようなやり方が良かろう筈がない。気になるのは、米中2国間の軋轢が世界経済にも響いて世界経済を収縮させることである。トランプ大統領は日本もその標的と考えているようだ。日本も他人事では済ませられない。

2018年9月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com