ネパールの地震は、その後被害が拡大して人的被害のみならず物的な損害も大きい。首都カトマンズにある世界遺産、ダルマール広場の寺院や塔も崩れ落ちるように倒壊し無残な姿を晒している。犠牲者の数も日に日に増え、今日現在3700人を超える人々が命を落としている。エベレスト登山のベースキャンプも地震から雪崩、落石を呼び、日本人1人を含む登山者17人が亡くなった。元々貧しいネパールだけに災害者を助けようにも資金的にも、物質的にも充分な余裕がないうえに、インフラが寸断され援助物資が届かず、各国へ援助の要請をしている。ところが、カトマンズ空港が混雑して一時的に使用できなくなったために日本からの救援隊が予定通り到着できず、インドへ寄ってからカトマンズ入りする有様である。散々な目に遭っている。
テレビで崩壊現場を観ていると、1999年8月に20世紀最大の地震と言われたM7.5のトルコ地震に遭遇した時、チャナッカレの現場で目の当たりに見た崩壊現場より大分酷いように思えた。
貧しい人たちがいつも、どんな所でも恵まれず思うように援助を受けられないのは、最早当たり前となっている。
さて、昨日行われた統一地方選後半戦の結果は、先の前半戦や直近の国政選挙同様に選挙民の間に不投票の傾向が著しく高まり、このままの状態では民主主義の崩壊へ繋がる恐れが表れてきた。その最たる傾向は、懸念されていた投票率の下落である。全選挙区で過去最低の投票率を示した。市議選の全平均投票率は48.62%で、前回より2.2%も下がっている。これと連動するように、無競争当選選挙区が多くなり、これでは住民が候補者の考えや意見を聞く機会を失うことであり、民主主義の根底が崩れて行くことになる。
一方で、大阪都構想の是非を問う住民投票が今日告示され、来月17日に住民投票が実施される。橋下徹大阪市長が府知事に就任した時からの念願である。これまでこの種の住民投票が行われたことがなかったので、知名度やその実施の主旨と方法がよく住民に理解されているようには思えない。その目的は、大阪府と大阪市の二重行政を解消し、特に無駄を取り除きたいという狙いである。ただ、1カ月足らずの短い間に住民に理解を求めるのは難しく、後顧に憂いを残さなければよいと思う。橋下市長が代表を務める大阪維新の会は、当初から都構想を推進しているが、自民、公明、民主党らは反対している。私自身ひとつ疑問がある。大阪府立大と大阪市立大の両立をどのように調整するのか。これからどういう道筋を辿って行くのだろうか。大阪市有権者211万人の責任は重い。