22日に無人機「ドローン」が首相官邸屋上に墜落しているのが見つかり、外部からの侵入に対する無防備ぶりを曝け出し、泥縄式に警備体制を見直そうとしている。そんなことより法律によって入手方法や、使用に規制を加えれば良さそうなものなのに、その点の動きはのろい。
その後福井県小浜市内に住む元自衛官がドローンを飛ばしたと名乗り出た。どうもその人物が操作したらしいことが分かり犯人探しはあっけなく終わった。その理由を元自衛官はドローンから放射能が漏れ出ていることを根拠に、原発反対を訴えたかったと述べた。ことの是非は別にして一応それはそれで説明がつく。ところが、一昨日辺りから、その男から自己嫌悪的な発言が目立ち、自らの生き方に疑問を感じたようなことを話し始めた。こうなると少なからず精神面の問題が問われるようになる。この男が精神異常者とは言わないまでも、こんな危険な飛行物体が仮にもそういう人々の手に入ると何が起こるか分からないことを示唆している。それだけにこの種の飛行物体の使用については、国全体としてトラブル防止のために早めに手を打つ必要がある。その点で今の政治家、警察は何と感度が鈍いのだろうか。やっと腰を上げたところである。
さて、安倍首相は日米首脳会談のため訪米中であるが、昨日の日米外務、防衛相による2+2会談で、日米安保条約のガイドラインが見直され、表向きは改めて日米の結束が強化されたと言っているが、どうだろう。カーター国防長官は日米がアジア太平洋地域と世界中で協力が可能になったと日本側ともども自画自賛している。岸田外相に至っては、普天間基地移設については辺野古への移設が唯一の解決策と沖縄の気持ちとは全く逆の考えをアメリカに伝えた。自衛隊の海外派遣が何の抵抗もなく行われるようになり、アメリカの防衛の肩代わりをする危ない橋を渡ることを確約する場になった。完全に憲法違反である。
今日の朝日夕刊「素粒子」欄にはこうある。「まず米国との合意あり。憲法より国会より法律より。ガイドライン改定。国民の意思は最下位の逆立ち民主主義。」
サンフランシスコ講和条約が発効して今日で63年になる。その時本土は主権を回復し、沖縄だけが切り離されて米軍の支配下に入った。まさに沖縄にとって今日4月28日は屈辱の日と言われている。今日の日米会談ではそんな沖縄県民への思いやりは一切見られない。ここまで持ってきた安倍首相を始め、右翼政治家と右寄りの国民の非情なしたたかさには驚くばかりである。
いまのところ絵空事のように考えているようだが、実際にいざ戦争となった時、こういう憲法違反に加担した政治家や一部の右翼国民は率先して戦地へ赴き、敵と戦う覚悟があり、命を落としても納得づくなのだろうか。
つい最近横浜市内の県立高校生に、その辺りを質してみた。彼は国家の防衛上軍備は必要だし、敵が攻めてきたら守る必要があると応えた。気持ちは安倍首相と同じだ。だが、実際に戦争になったらどれだけの悲劇が目の前に展開されるのかということはピンと来ていないようだった。これだから困る。戦争に巻き込まれることは、自分の生命、家族の生命を投げ出すことに繋がることがよく分かっていない。こういう教育を学校だけでなく、社会的にメディアなどを通して若い人たちに教えることが大切だと痛感した。
今晩安倍首相はアメリカ上下院議会でスピーチを行い、オバマ大統領と日米首脳会談を行う。日本人のみならず、ニューヨーク・タイムズなど安倍首相に辛辣なアメリカ人、反日的な中国人、韓国人が注目している。