4044.2018年6月9日(土) 米朝首脳会談を前に落ち着かないトランプ大統領

 3日後に迫った米朝首脳会談を前に世界のメディア報道はヒートアップしてきた。一旦は会談中止を一方的に宣言しながらも、何とか実現の可能性が高まってきた。アメリカ国内では、難問を抱える北朝鮮との交渉においてハードルを下げ過ぎと心配する声もある。

 最大のカギは、北朝鮮が完全な非核化に応じるかどうかである。かつて非核化を約束したが、結果的に自らの死と体制崩壊を招いたリビアのカダフィ政権の姿が北朝鮮には残像としてある。もうひとつが、朝鮮戦争の休戦状態に終結宣言をして平和条約を締結することである。これにより北朝鮮がアメリカから不意に攻撃されることはないとの安心感があり、アメリカよりもむしろ北朝鮮が拘っているらしい。法的には、現在も朝鮮半島では戦争状態が続いており、終戦となれば、北朝鮮にとっては体制が保証されることに繋がる。

 朝鮮戦争勃発時は、私は小学6年生で毎日のように先生から戦争の様子を聞いたことを思い出すし、映画館では本番の映画より前に必ず朝鮮戦争関連ニュースが映された。当時の李承晩大統領の名前はこの時インプットされた。国連軍の仁川上陸による反攻などが思い出される。中2の時朝鮮戦争は終わった、というより休戦となった。

 果たして両首脳の話し合いの中でどこまで実務的な話し合いがなされ、両国が納得出来る協定が結ばれるだろうか。

 首脳会議を前にトランプ大統領が、また身勝手なことを考えているようだ。カナダ・ケベック州シャルルボワで開催された先進7か国首脳会議(G7)でアメリカの通商政策を主に話し合われたが、懸念されていたようにアメリカの高関税措置を巡ってG6側がアメリカに対して共通のルールに基づくべきだと反発しているのに対して、アメリカは持論を主張し、明日の共同宣言をどう発表するのか興味を呼んでいる。気候変動の話し合いなどについては、トランプ大統領は出席せず、首脳会議に備えてシンガポールへ向かうと見られている。

 トランプ大統領の身勝手な考えとは、ロシアのG7への復帰を考えているようだ。G6の期待を裏切ったかのような自由貿易から保護貿易へ転換を図ろうとするトランプ大統領は、G7の加盟国としてロシアの再加盟を持ち出すらしい。かつてG8だったが、当時ロシアがクリミア半島を掠め取ったことを国際法違反としてG8から追放したのだ。それはアメリカにとっても当然の動きだったが、それを再び元の鞘に納めようというのだから、G6にとっても何を考えているのか分からないのではないか。

 なお、現時点では結論が出ていないが、閉会前にG7としてどんな共同宣言が出されることだろうか。

2018年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com