4042.2018年6月7日(木) シェラ・レオネのMr.Kondoh

 今政官界を挙げてハチの巣をつついたような騒ぎになっている問題のひとつは、森友学園の国有地払い下げに関して財務省が8億円にも上がる大幅な値引きを行い、これが国家に大きな損害を与えたことである。

 ところが、国家の無駄遣いとそのやり方が国民一般には、分からないまま実施されている例がいくつもある。そのひとつが、意外にも在外公館の設置に見られる。大使館は原則的に外交関係を締結した相手国の首都に設置され、それが両国間において相互理解、協力関係が構築されるなら大変実利的で結構なことである。

 しかし、実際には外交関係が結ばれたが、まだ密接な協力関係がないままに大使館だけが建設され、一部には税金泥棒と陰口を叩かれている在外公館がいくつもあるようだ。

 現在日本の在外公館は、大使館150、総領事館64、国連やユネスコ、OECDなどの政府代表部9を合わせて223に上がる。150名の特命全権大使がいて、その他に多くの大使館員がいて一部の大使館を除いてそれほど本来の仕事がなく、その反面大使館員は抜群の待遇を得て優雅な生活を送り、現代の王侯貴族との陰の声がある。特に東西対立時代には、駐ソ大使ひとりだけだった旧ソ連領には、今では最近開設されたベラルーシを始め、在留邦人がほとんどいないアルメニアやタジキスタンにも大使館が設置され、旧ソ連内にその数実に15人の特命全権大使がいるという。また、大使以下ロシア語堪能のスタッフを駐在させなければならず、その経費は想像を遥かに超える。

 長年の懸案である財政再建が口先ばかりで一向に解決されず、累積財政赤字が1,100兆円を超える厳しい台所事情を考えれば、この辺りは一時的に1大使館が2~3か国を兼ねるやり方が検討されても良いのではないかと愚考するが、如何なものだろうか。このままでは新独立国が誕生し、わが国と国交を結ぶ都度必要経費がうなぎ上りに増え続ける。何事も前例踏襲主義のお役人には、その点で前向きの結論が出せないのだろうか。

 さて、最近エチオピアの首都アジスアベバにあるシェラ・レオネ大使館の参事官に同じ‘Kondoh’性の人物がいることを知り些か驚いている。名前は、Mr.Ibrahim Vandi Kondohといい、モスクワの大使館で自国の中央・東ヨーロッパの外交政策を22年間に亘って指導していた優秀な外交官のようだ。この名前通りにNETで調べれば、詳細がすぐ分かる。しかし、現実にこのように私と同姓の人物が、遥か遠いアフリカの地で活躍されているなんてことは想像だにしていなかった。私自身かつては長い間旅券申請上‘Kondo’を強いられたが、一度外国の空港でMr.Kondoと近藤の「近」が強調されてアナウンスされたため、Mr.Hondaと聞き違えて混同したことがあり、以後旅券に関わりなく、‘Kondo’の後に‘h’を付して後部にアクセントを置くMr.Kondohを意図的に使用するようにしていた。

 アフリカでは似たようなエピソードがあって拙著に紹介したこともある。ケニア人の間には、‘Kondo’の前に‘N’を付した‘Nkondo’という姓の人物がかなり多くいるということを現実に現地で実感した。名前について拾い上げれば、いくらでも面白く、ユニークなものが世界にはたくさんあると思うが、日本とはおよそすべての面において両極にあるアフリカで意外にも同姓の人間がいることに不思議な思いがしている。

2018年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com