4025.2018年5月21日(月) メディアの不誠実さと手抜き取材

 現在TBSテレビで医療手術を扱ったドラマ「ブラックペアン」という話題作が放映中であるが、その「ペアン」という意味が分からず、英和辞典にも‘PEAN’の単語は見つからなかった。これだけ事前にPRするなら、ドラマ名の意味ぐらい分かるようにしたらどうかと思う。他にも疑問を持つ視聴者がいるのではないかと気になっていた。友人に聞いてみると、それは英語ではなくドイツ語で手術用のハサミだという。それにしてもテレビ局の説明がないのを不審に思い、TBSへ宛ててメールで尋ねてみた。

 しかし、今に始まったことではないが、テレビ局の視聴者軽視は並みではなく、一向に返事がない。一度の問い合わせに回答がないからと言って黙っていたらそれきりになってしまう。それから3週間ほどして同じ問い合わせをしたが、これにもまったくなしの礫である。そこで今日3度目の嫌味を込めたメールを送信したところ、やっとというか、即刻回答があった。ペアンとは「挟む力が強い組織やチューブ、布などを挟んで止めておくハサミのような道具」で医学用語であることが分かった。更に親切にも写真まで載っている番組HPのアドレスまで教えてくれた。こういう風にメディアというのは、自分たちにとって不都合になると思うと行動を起こす。普段は一段と高い場所にいて視聴者から遠い合わせがあってもよほどのことでもない限り、善きに計らっているわけである。問い合わせを何度も無視してまでも回答が出来ないような問題ではない。所詮傲慢で誠意がないのが一般的にメディアの体質だと改めて納得した。

 ところが、今以って回答してくれないのは、テレビ東京ぐらいで同局は「湯川秀樹博士はノーベル賞を2度受賞した」と真っ赤な嘘を世間へばらまいたままで、いくら注意しても誠実に対応しようとしない。我々が営業マンとして働いていた頃は、顧客の声を無視するなんてことは考えもしなかった。営業会社の場合はほとんどそうだろう。だが、営業会社でなく、公務員感覚のメディアは、お得意様の声を無視して意に介さない点で、社員が普通の人間とは違うように感じる。

 今執筆している作品は、メディアの不条理について触れているが、とにかく現場に出ないで間接的に取材して知ったかぶりの記事を書く。ロヒンギャ難民についても戦前旧東インド領内のイスラム系民族をビルマ領内へ強制移住させたイギリスの責任には、ほとんど世界中のメディアは触れたがらない。日本のメディアもしかりである。これだからドキュメントにはいつまで経っても唸らせるような説得力ある秀作が生まれないのだ。

2018年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com