4026.2018年5月22日(火) 2つのスキャンダル、加計学園と日大アメフト部

 何やら騒がしくなった。その最たるものは、疑惑だらけの加計学園獣医学部新設を巡る闇の部分について、愛媛県側にまた新たな文書が見つかった。それによると2015年2月に加計学園理事長が学部新設を目指すことを安倍首相に説明し、首相がその考えはいいねと言ったという内容である。ここで首を傾げたくなるのは、首相が加計学園の獣医学部新設の計画を知ったのは、国家戦略特区諮問会議の場で、加計学園が学部設置の事業者に決まった17年1月と過去に語り今日の国会でもそのように答弁したことである。新文書の日付と首相の国会答弁の整合性がないことになる。この他にも当時の首相秘書官だった柳瀬唯夫氏の言動も不審だらけである。これについて、安倍首相は疑念を強く否定している。官邸の面会記録も調べたが、加計氏に会った記憶はないと言った。だが、そうは言ったが、その面会記録はすでに破棄されているので説得力がない。首相の言動は悉く不利になるばかりである。また、森友学園への8億円に上る値引きに纏わる疑念も一向に収まる気配がない。ついに首相として信任するに当たらないとの声が野党の間で出てきている。ひとつひとつ疑問は丁寧に答えていかなければならないと言っていたが、闇は深まるばかりである。さあ安倍首相もここが正念場である。

 さて、今日午後プレスセンターで普段あまり見かけない記者会見があった。このところマスコミで話題を賑わせている日大アメリカン・フットボール部の選手が、意図的な危険なタックルによって相手選手をケガさせたことについて、当の選手が弁護士立ち会いのうえで謝罪と自分の考えを述べた。去る6日行われた日大対関西学院大の定期戦でルール無視の乱暴なプレイに対して、日大側が即座に関学に謝罪しなかったことが最初の躓きである。日大の対応が後手に回り、やり方もまずい。内田・日大アメフト部監督が関学へ謝罪に出かけたが、その様子を好意的に受け取っている人は少ないようだ。監督が選手に相手選手を壊してこいとけしかけたのではないかと憶測されていたが認めなかった。そのうえ監督はそれらの質問に対して、その場ではっきり答えなかったことなどが印象を悪くしている。しかし、今日当の選手ははっきりと監督から指示されたと重い口を開いた。

 内田氏は実績のある監督だけに、監督の言うことには誰も逆らえなかった。だが、監督の常識も判断も少しおかしい。監督が関学へ謝罪に出かけた時の取材で、関西学院の正式名「カンセイガクイン」を「カンサイガクイン」と呼んだり、いくら日大のスクールカラーとは言え、ピンクのネクタイを着用して謝罪に出かけたり少々ピントが狂っている。この人物はマンモス大学・日大の常務理事でもある。

 実力的には日本代表候補にもなって将来を嘱望されていた当の選手が、今後アメフトを諦めるとの覚悟の下に、はっきりとラフ・プレイは監督の指示だったと告白したのだ。まだ20歳になったばかりの選手が辛い気持ちで悩んでいたにも拘わらず、監督やコーチは彼の気持ちを酌んでやることは出来なかった。

 これに対して少々情けないのは、当の学生をヘルプしようとの気持ちが見えなかった内田監督、並びに日大当局のこれまでの対応である。この経緯を見た日大生はこれをどう思うだろうか。学生が困った時に救いの手を差し伸べようともしない、大学側の冷たいスタンスに失望したのではないだろうか。

 実際この記者会見の後日大が出した簡単なコメントは、選手の言い分を認めるものではなかった。またコメントと言えるものではなく、素直に選手の言い分を受け入れず、極めて冷ややかなものだった。

 テレビで会見の様子を観ているだけでも、選手が被害者のひとりではないかと思えて可哀そうでやりきれない気持ちになった。大学からも、所属するクラブからも突き放され助け船を出されることもなく、ひとり悩んでいる孤高の姿は忍び難い。学生スポーツでこれほど嫌な感情を抱かされるとは情けない。どうやってこの失態をリカヴァー出来るだろうか。

2018年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com