4020.2018年5月16日(水) 海賊版サイトについて日本ペンクラブの見解

 昨日日本ペンクラブ理事会で滝田誠一郎・言論表現委員長が海賊版サイトについて問題点を述べていたが、今日午後ペン事務局で財務委員として業務である伝票チェックを終えて帰宅すると、事務局から委員長名で「海賊版サイト問題に関する日本ペンクラブの考え方」という見解を公に発信したとの連絡が入った。

 知的財産権の保護のために国際的に海賊版は非難され禁じられているが、中々難しい点もある。よほど抜かりなく上手に締め出さないと表現の自由を抑圧すると受け取られかねない。滝田委員長が出したメッセージは、著作権料を支払わず、作者に無断で海賊版サイトを公にすることは罪に当たるが、これに対してこれらの行為が公権力による厳しい法規制を引き起こし、社会全体の表現の自由を狭めることにつながることを憂慮するというものである。もう一点は、違法サイトを止めるために、政府が緊急事態と称してウエブサイトの善し悪しを政府自身が一方的に決めることは、表現の自由に抵触する可能性が高まるということも言っているのだ。

 中々難しい問題であるが、悪は悪として閉め出すが、その手段が権力を活かして取り締まるとするなら、表現の自由を抑えつけることにつながりかねないということを伝えたい気持ちが籠っている。

 民主主義社会では「言論の自由」や「表現の自由」が守られていると理解されがちであるが、今日旧社会主義国家では国によっては大分自由が締め付けられて「自由」が損なわれている。とりわけ、中国、北朝鮮などでは、庶民の自由が官憲の力によって厳しく規制されている。今やロシアやハンガリー、トルコなどでも国民への監視機構が強まり、かつて「自由を獲得した!」と社会主義政権を倒し国全体が盛り上がったものだが、今では旧東ヨーロッパ体制に戻りつつあるような印象を受ける。

 その自由を締め付けている北朝鮮が米朝首脳会談を開くということが、世界中を驚かせていたが、それが本当か俄かには信用ならぬニュースが今日になって南北両朝鮮から流れて来た。今日予定されていた南北朝鮮間の高官級会議が突然キャンセルされたのだ。同時に北朝鮮は来月12日開催予定の米朝首脳会談も予断を許さないようなことを言っている。

 自由制約の厳しい国が何かやると壊れるのではないかとの不安が湧いてくる。当然とは申せ困ったことである。

2018年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com