3995.2018年4月21日(土) 北朝鮮、核実験・大陸間弾道弾試射中止

 今朝電撃的ニュースが流れた。あの北朝鮮が昨日開催された朝鮮労働党中央委員会総会で、必要がなくなったとして核実験場を廃棄して弾道ミサイル発射を中止すると宣言したのである。これまでアメリカを中心に国際社会から度々核廃棄を求められ圧力をかけられながら頑として応じず、我が道を突き進んでいた北朝鮮がどういう風の吹き回しだろうか。

 しかし、よくよく調べてみるとこの宣言では中長距離や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の中止を言っているのであって、日本が射程距離内にある短中距離弾道ミサイルの放棄には触れられていない。金正恩委員長も非核化については触れていない。アメリカ大陸へ届く弾道ミサイル試射の中止を打ち出したので、トランプ大統領としては圧力が効果的で自らの言動が功を奏したと喜び、トランプ大統領に追従する安倍首相は大きな前進としながら今後の推移を見極めたい意向を示した。その一方で、金正恩委員長の宣言に河野外相、小野寺防衛相は納得していない。

 それにしても南北首脳会談、並びに米朝首脳会談を目前にして北朝鮮の対応が大きく変わってきた。北の譲歩が今後どうなるのか、まったく予断を許せないが、これまでの強気な姿勢を変えたのは、よほど北朝鮮国内の経済疲弊が堪えているのだろう。これまでも約束をドタキャンしてきた北朝鮮のやり方に警戒を解いてはいけないと思う。あまり楽観視せず、注意深く見守る必要がある。

 さて、今日は明治大学で渡部富哉・社会運動資料センター代表が、「解明されたゾルゲ事件の端緒」と題して講演するセミナーに出席した。この講演会については、昨日の朝日朝刊に紹介されたので、会場は聴講者で溢れていた。ゼミの池田くんが新聞で知ったと言ってともに聴講することにした。話は主題より副題の「日本共産党顧問真栄田(松本)三益の疑惑を追って」にほとんど時間が費やされた。渡部氏は、松本三益が特高のスパイだったと88歳の熱い情熱をぶつけて確信的に語った。記憶がやや危うい印象もあったが、その声の大きさとエネルギーは長年共産党員としてこれまで活動してきたプライドを感じさせた。新聞の見出しでは「ゾルゲ事件『最後の』講演会」と書かれていたことが、講師には不満だったようだ。

 私自身これまで何度となくこの講演会を聴講している。格調の高いセミナーではあるが、残念ながら出席者に年配者がやや多く、若い人がほとんど見かけられなかったのは、些か不満の残るところだった。

 ところで、会場で買い求めた資料のひとつ、「中国共産党対日諜報団並びに之に関連する外患に関する罪及び治安維持法違反事件の取り調べ状況」と長いタイトルの109頁に亘る小冊子がある。その表紙の写真が、何と先月会ったばかりの高校同期生・環境学者の中西準子さんの父功氏だった。頁をめくって読んでいるうちに、中西氏が満鉄に勤務されていた上海時代の指導的活動ぶりが細かく書かれているのに驚いた。日本人間諜のトップに名前が掲載されている。先日上海時代の自宅が分かったと話してくれたが、その住所や、本籍、出身校、治安維持法で検挙された経歴、共産党員としての詳細な活動など、資料は戦時中の内務省警保局保安課発行の「特高月報」に依るものとはいえ驚きである。

 中西さんがこの資料を持っているかどうか分からないが、彼女に送ってあげるべきかどうか目下思案中である。

2018年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com