4月に尺八の関東演奏大会が催され、都山流代表の鯉江丈山さんからお声がかかり日比谷公会堂へ出かけたが、今日は鯉江さん直々の都山流主宰の尺八と三味線、お琴の合同演奏会にお誘いを受けて中野ZEROホールに伺った。「御山獅子」では、特別出演された箏曲の人間国宝、二代目米川文子師と三絃奏者とともに共演された。流石に都山流派を率いる鯉江さんの洗練された独奏は聴きほれるほど素晴らしかった。好きな「岩清水」を独奏されなかったのは少々残念だったが、楽しむことができた。鯉江さんの今後益々のご活躍を祈って止まない。
さて、一昨日の衆議院憲法審査会に参考人として呼ばれた3人の憲法学者が、揃って集団的自衛権行使を可能にする安保関連法案は憲法違反であると意見を述べた。そう思わない憲法学者もいるだろうが、ほとんどの憲法学者が自らの政治信条と切り離してもこの法案は違憲だと考えていると思われる。
ところが、昨日と今日衆議院特別委員会で野党から厳しい質問をされ法案の撤回を要求されても、菅義偉官房長官は「行政府による憲法解釈として最良の範囲内として違憲という指摘は全くあたらない」と見解を述べた。まるで行政と司法の見解は異なったとしても行政が優位であると言わんばかりである。中谷元・防衛相も同様の考えを述べた。
他の自民党員も誰があんな学者を呼んだと八つ当たりする有様で、自分たちは正しいとの頑迷さを曝け出しているばかりである。これが国政を担う国会議員かと思うと情けなく呆れるしかない。
現政権は集団的自衛権行使が歴代政権によって踏襲されてきた平和憲法の核心的部分は専守防衛の考え方と変わらないと繰り返しているが、本気でそう思っているのだろうか。どう考えても同盟国が危険に晒されるか、助けを求めた場合は新ガイドラインにより海外の戦闘地へ派遣される可能性のある自衛隊の戦闘行為は、これがどうして専守防衛と言えるのだろうか。そう考える自民党員は、選挙で自民党からの公認を得たいがため法案採決のために一票を投じるだけの評決議員に成り下がっているのではないか。ここへ来て自分たちの利得のために横車を押す一党多弱の大きな弊害が露骨に顕れている。
こうなっては何とかして安保関連法案を廃案に持ち込み、その後に次の総選挙で堅実に自民党を敗勢に追い込むしか、日本を戦争から遠ざける手はないのではないかとつい暗い気持ちになる。
ところで、昨日ボルネオのキナバル山が噴火して登山者187人が不明だったが、今夕13人の死亡が確認されたという。日本人1人の行方は依然として不明のようた。犠牲者のいないことを願っていたが、残念である。