少しずつ老獪になって来た最近の安倍政権の政治手法のカラクリがひとつ垣間見えてきた。今日からドイツのエルマウで始まった先進国首脳会議G7の前にウクライナを訪れ、同国ポロシェンコ大統領に、武力で現状変更を行ったロシアに対してウクライナの立場に賛同すると公表した安倍首相は、些かでもG7の中でも優位な立場を保ちG7に臨む姿勢である。対中国問題でも、南シナ海で強引な海洋進出を図る中国の意図に対して、沿岸諸国とともに話し合いをして中国に警戒警報を発して牽制球を送っている。
そして、G7では気候変動問題では、日本が温暖化ガスを2030年までに13年比で26%削減するという大アドバルーンを上げる。果たしてその目標達成は可能なりや否や、難しいところだが、政府はこのためには原発稼働を、2012年に民主党政権が2030年までに原発稼働をゼロにするとの計画を捨て、20%前後のエネルギーを原発稼働により蓄積するとの考えを発表した。つまり世界的に地球温暖化の流れの中で二酸化炭素を減らすためには、ガスを排出する火力発電より原発の方に実行性があることをアピールしたのである。
その手法はAを生かすも殺すもBをうまくコントロールすることが大切であると言いつつ、目くらましをかませて我田引水的に持論を押し通す手法である。どさくさにまぎれて論理のすり替えを行う狡猾なやり方である。将来的に核廃棄物による永久的なゴミの処理にまったくメドがたたない中で、更に電力を確保するためには危険で汚れたゴミが増えても止むを得ないとの論理である。国民には分かりにくい話題を、それとなくさも当然のようにすり替えてことを進めて行く危険なやり方である。よほど監視していないと安倍一派にうまくごまかされ、いつの間にか取り込まれてしまう。怖い、怖い。
さて、一昨日爆発したキナバル山を登山中に行方不明とされていた日本人が死亡したと現地警察が発表した。現時点で犠牲者は併せて16名である。
また、去る2日中国長江で転覆した観光船の犠牲者は今日現在で431名の大惨事となった。相変わらず中国当局は国民と海外メディアに対して報道管制を敷いて、遺族から厳しい非難を浴びている。