予想以上に口永良部島の新岳の噴火は深刻なようで、全島避難した島民たちはいつ戻れるのか不安を隠せない。地方再生とか、創生が叫ばれているが、現実には離島の人口減少による過疎化が懸念材料であるだけに、この島も危険な状態がこのまま続くと島へ島民が戻らず、無人島になる恐れも考えられないことではない。われわれ都市に住む人間にとっては普段あまり気にしないことだが、他人事ではいられないような気もする。
口永良部島はかつて2千人もいた人口が、今や137人にまで減少し、小中学生も250人から10人にまで減ってしまった。政治家はいともたやすく地方創生などと口走るが、どれほど真剣に地方のことが分かって具体的な政策を考えているのか。昨日の国会答弁でも貴重な審議の中で空理空論を述べ、挙句の果てにその発言に懲罰とか、陳謝を議論しているていたらくでとても彼らの言葉を鵜呑みにはできない。
さて、一昨日取り上げたFIFAのスキャンダルに関連して、昨日行われたFIFA会長選の結果、現会長のブラッター氏の5選が決まった。あれだけ世界中を騒がせて事件を引き起こし、ヨーロッパサッカー連盟会長らから辞職を求められながら、自分は無関係を装ってその職に留まろうとするその強欲と名声欲にはうんざりである。イギリスのキャメロン首相から愛想を尽かされ、ドイツのメルケル首相からも一歩距離を置かれるほど権力志向を非難されている。アメリカのサッカー協会は失望し、5選に賛成票を投じたアフリカ、アジアの国々だけが胸をなで下ろしている有様である。日本はどういう選択をしたかと言えば、アジアサッカー連盟の意向に沿って、ブラッター氏の5選を支持したようである。日本もブラッター氏から恩恵を蒙っていたのだろうか。しかし、これではFIFAの改革は生易しいものではないだろう。これからもFIFAが絡む選択の場では、眉に唾して見なければならないだろう。フェアプレイが求められるスポーツの世界のでき事だけに、気持ちがどうもすっきりしない。
今日は「俳優・高橋克典」と同姓同名のペンクラブ会員・高橋克典さんの出版記念会が銀座・三笠会館で開かれた。今年に入ってから「レストラン『藤木』へようこそ」と「お月見横丁のトラ」の2冊を出版された。集まった人たちは大分昔から高橋さんを知っている人ばかりで50名ぐらいだっただろうか。高橋さんはお育ちが良いそうだが、松本歯科大学を中退されたという経歴を持っておられる。中々思いやりのある方で皆さんに気を遣っておられる様子が感じられる。自分で会場内を歩きながら出席者を1人ひとり紹介する。それほど長いお付き合いではない私について、元小田急に勤めていたことや、近著「南太平洋の剛腕投手」をPRしてくれた。
そして二次会会場の「ライオン」に移り、しばらくして大きな揺れがあった。2度ほど揺れた。小笠原沖を震源地とするM8.5、震度5の揺れということでかなり大きい地震である。一時JRが停まり、他の私鉄も一時運転停止や遅れがあったようだ。とにかく、昨日口永良部島で大噴火があったばかりで、どうも落ち着かない。大きな震災につながらなければよいがと願わずにはいられない。帰途地下鉄日比谷線と東急東横線に支障はなかったが、土曜日の夜11時過ぎという遅い時間にも拘わらずかなり多くの乗客がいたことは、多分地震の影響だろう。