3964.2018年3月21日(水) 銀世界を見て考える政治の裏世界

 春分の日である。午前中からこの時期にしては珍しく雪が舞ってきた。3時を過ぎて漸く雪は止んだが、書斎から外を眺めれば庭の樹木や、家々の屋根は白い薄化粧で何やらロマンチックである。家にいても気のせいかどうも寒い気がする。都内の気温2.6℃は札幌の3.1℃より低い。これではやっと開花した桜はどうなるだろうか。

 ところが、最近の政治の世界は銀世界よりずっと寒々しい。森友学園問題で来る27日に当事者だった佐川宣壽・前国税庁長官の国会証人喚問が決まったところだが、政治がらみでまた国民にとって不愉快な事件が明らかになった。

 2人の自民党文教族国会議員が、前川喜平・前文部科学事務次官が2月に名古屋市立中で行った講演について、文科省が名古屋市教委から得たその内容につき議員にその質問案を見せ、一部修正していたという。つまり国会議員が教育の現場へ介入し、それを受けた文科省が市教委へ議員の意向を反映させるという飛んでもない事件があったのである。どういうつもりで2人の文教族はこのような非常識なことをやったのだろうか。前川氏は政治の介入が行政に及ぶようになり、行政が思うように業務を遂行し難いと発言して、政府筋から睨まれた過去がある。それが尾を引き退職後も政界の官僚いじめは延々と続いていたわけである。

 そんな折市民団体が起こした国の文書開示請求に関して、今年1月その一部を最高裁が認めた。それはとかく秘密性のあった内閣官房報償費、つまり官房機密費である。だが、その詳細は不明のままである。内閣官房の仕事を円滑に進めるために機動的に使える経費とされ、月額約1億円という途方もない金額である。問題なのは、このうちその9割が領収書を必要としない政策推進費という名目の出費であることである。現状では後になってから何のために、誰に対して使ったのかは分からず仕舞いになってしまうのだ。いわゆるブラックボックスである。閣僚の海外出張時の土産代にも使われたというから、かなり私的に使われていた可能性がある。官房長官が財布のひもを握っていたが、歴代の官房長官は揃って情報開示には「情報が入らなくなる恐れがある」として否定的だ。菅官房長官は「国民の不信を招くことがないよう引き続き適正な執行を徹底していきたい」と述べたようだが、隠し事をしておいて不信を招かない努力とはどういうことだろうか。これでは闇世界ではないか。

 政治家のやることは、強欲、弱い者いじめ、たかり根性、無責任、ご都合主義ばかりで、庶民のために真面目に働いているとは到底思えない。

2018年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com