3956.2018年3月13日(火) 財務省、公文書書き換えを認める。

 このところ大きな話題となり、疑惑が隠せなくなった財務省の森友学園への国有地売却に関する公文書の書き換えを、昨日ついに財務省が認めた。14件の決裁文書について約300カ所の書き換えを行っていたというから前代未聞の悪質な不祥事である。財務省内を始めとして自民党内でも上へ下への大騒ぎである。国有地を大幅に値下げして森友学園に売却したとするなら、国家の財産を不当に喪失させたという点でも重大な責任がある。特に問題に関わったとされる関係者の中に、当初記載されていた安倍首相昭恵夫人や自民党国会議員の名前も削除されていたことが問題を一層大きくしている。

 前日には佐川宣壽・前理財局長が責任を取るように国税庁長官職を辞任したうえに、近畿財務局担当職員の自殺まで明るみに出てしまった。責任問題を追及され、辞任する気持ちはないかと問われた麻生太郎財務相は、理財局職員の間で書き換えが行われたようで、そのトップである当時の理財局長が責任を取り辞任したので、自分は辞めるつもりはないと発言している。すべての罪を役人に押し付け、政治家は責任を取ろうとしない。この場合は倫理的にも財務相が責任を問われる性質のものであり、相も変わらず政治家の狡い責任逃れを垣間見る思いである。

 新聞もテレビもこの問題を集中的に報道しているし、野党各党は一致して財務大臣辞任と安倍内閣総辞職を訴えるようだ。

 近年省庁トップの人事権を省庁から内閣人事局に移して、トップ人事は官邸が行うようになって以来、官僚の首相以下の取り巻きに対する忖度が度を越しているようだ。首相夫人に傷がつきそうなことは、首相に傷がつく。これをブロックしなければいけないと妙な出世争いの空気を官僚間に蔓延らせているようだ。森友学園に深く関わって、一時は小学校名誉校長まで務めた安倍首相昭恵夫人へ影響が出そうだと考えた財務省が、安倍夫人の名前を消そうとした。一強支配により長期政権に胡坐を掻いている安倍政権も、少しずつ落城が迫っているように感じられる。政権を握った最初の頃の謙虚さが、少しずつ失われている安倍内閣もついに背水の陣に追い詰められたか。

2018年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com