2948.2015年6月9日(火) 安倍首相、G7で意外な存在感を示す。

 外交に自信を持ち始めた安倍晋三首相が出席した主要7カ国首脳会議(G7)が首脳宣言を採択して閉幕した。4回目の出席となった首相は慣れもあるだろうが、今までの日本の首相が各国の首脳の中ではやや陰の薄い存在だったのに比べて、大分存在感も増しイニシアチブを握るようにもなった。特に中国に対しては、国名は挙げずに南シナ海、東シナ海への海洋進出に関して懸念を表明する宣言の文案作成に主体的に行動した。

 しかし、この首相の言動について、早速今夕の朝日「素粒子」欄には「サミットで法の支配を説く首相。憲法は法案にあわせて自在に解釈し、力による一方的な現状変更は認めがたし」と皮肉たっぷりに取り上げられている。うまい事を言うものである。ロシアや中国に対しては国際法に従うべきだと正論を述べながら、その一方では日本国内で堂々と憲法に違反し論理のすり替えをして持論を押し通すような、ご都合主義の首相の鉄面皮ぶりを茶化しているのである。

 それにしても今回のサミットはオバマ米大統領の存在感が薄かった。その反面出席しなかったロシアと中国が陰の主役だったと評されている。ロシアのウクライナへの進駐と中国の海洋進出が主要議題として取り上げられ、中ロ首脳不参加の中で両国への非難が込めているのだ。

 さて、2020年東京オリンピック開催計画がもめごと続きである。昨日スイスのローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で開催競技の会場の一部変更が認められた。最大の問題は、競技のメイン会場国立競技場の建築計画が変更に次ぐ、変更で本番に間に合うのか、懸念されている。費用についても文科省は膨れ上がった費用を開催都市・東京都に一部負担を求めたが、それが東京都の抵抗で揉めている。

 すべての面でバッハIOC会長も東京大会開催を懸念している。こんなことは今までなかったことである。日本はこれまでイベント開催について、外国から称賛されることはあっても懸念されたというようなことは記憶にない。それほど2020年東京大会は計画性、資金面、組織、スタッフともに機能していない。ちょっとビッグ・イベントを甘く見ていたのではないだろうか。

2015年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com