2955.2015年6月16日(火) 政府は違憲の安保関連法案を強行突破させるのか。

 駒澤大学公開講座で「現代ジャーナリズム論」を担当されている片山正彦講師が、安倍政権の安保関連法案の取り扱い方と、安倍政権のメディアに対する圧力について話された。その中で興味深かったのは、英エコノミスト誌の安倍首相批判記事である。‘The media in Japan speak no evil.’とある。同誌が安倍政権の報道規制のように日本の事象を批判したのは珍しく、メディアが椅子に座った安倍首相に押しつぶされている諷刺画とともに今後話題を呼びそうだ。記事の要旨は「政治家による介入が長く続き、リベラル系のニュース番組に圧力を加え、報道ステーションでコメンテーターだった古賀茂明氏が安倍政権を批判して辞めた」と取り上げ、日本政府は放送法を悪用していると安倍政権を批判している。

 いけいけどんどんの安倍政権は周囲の反発や、安保関連法案の中核である集団的自衛権行使容認が憲法違反の声が高まる中で、その風向きを変えようと思ったのか、今国会の会期を9月まで延長することを考え出した。現状では審議時間が足りないことを懸念して、益々強くなってきた風当たりを避けようとしたのである。もしそれが現実となるなら、批判の大きな対象となった、わが国の国会よりアメリカ議会を優先したと受け取られている7月に法案を通過させるという、アメリカ政府との約束は当面先延ばしするということだろうか。

 このところ衆議院憲法審査会で3人の参考人が安保関連法案を憲法違反と指摘して、俄かに自民党周辺が騒がしくなった。自民党は砂川判決を持ち出して合憲とこじつけたり、推薦参考人に違憲と明言され人選ミスとふてくされたり、外聞を憚らなくなった。

 一方で憲法学者のみならず、経済学や天文学の研究者らが安保関連法案にともに反対するなど連帯行動を起こしたことで、政府与党は憲法審査会を当分休止する考えのようだ。言い分が笑っちゃう。憲法の本質から脱線したようでレールを元に戻すだと。

 ここまでもめた法案、しかも憲法違反がミエミエのまま強行突破することが、日本の将来にとってプラスになるのかどうか、ここは踏み留まって考え直し良心と良識の一端を示してもらいたいものである。

2015年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com