宇宙の神秘的な謎を解明すべく「冥王星」へ向かって飛行している無人探査機「ニューホライズン」がもたらせてくれる探査結果を楽しみにしていたが、今日の新聞やテレビのメディアではさほど関心がないのか、朝から報道を見聞することがほとんどなかった。僅かに読売に記事がある程度である。そこでネットでチェックしてみると探査機が冥王星らしき天体に最も接近するのは、日本時間の今晩8時50分ごろと分かった。
そして、9時のNHKニュースがそれを報じてくれた。日本時間8時49分に探査機は1万2千㎞と冥王星に最も近い距離に近づいた。実に距離にして地球から48億8千万㎞という途方もない数字である。これからも飛行し続ける。冥王星の直径も2370㎞で月の2/3ほどの大きさであることが分かった。以前よりずっと鮮明な映像も得られた。その他にもいくつかの未知で貴重なデータを送信してくれた。これからも天文学にとって有意義なデータを与えてくれることだろう。NASAでは9年半に亘って飛び続け成果を上げた探査機を祝して大騒ぎである。開けてびっくり玉手箱という風に、驚くような想像を超えるような情報も明日以降に得られるだろう。世知辛い俗世界にこんなロマンもあって良いなぁと思う。
さて、世界中の注目を集めているギリシャの財政危機問題は、一昨日から昨日へかけてユーロ圏財務相会議が精力的に行われ、17時間に及ぶマラソン会合の後ギリシャ支援の緊縮案を条件付きで受け入れることで合意をみた。だが、ギリシャのチプラス首相から提案された緊縮案に対してユーロ内部でもその扱いに意見が分かれた。やはりこれまでの経緯からギリシャを信用できないという国と、ギリシャの言い分を安易に受け入れれば、いずれ今回と同じ二の舞を演じることになると警戒する国もある。一応ギリシャを救済するという方向に向かってはいるが、まだまだ猶予ならない。
ユーロは支援再開の条件として主要な財政緊縮策を15日までに法制化することをギリシャに求めた。緊縮策に対して国民投票でNOを表したギリシャ国民がすんなり納得し、国民の声を無視しにくい議会も法制化実行ができるか予断を許さない。しかし、それがダメなら事態解決の糸口すら失って、ギリシャのデフォルトとユーロ離脱が現実味を帯びてくる。この先順次借金の返済期限がギリシャに迫っている。当分の間駆け引きが繰り返されるだろう。
ギリシャの債務が43兆円というから、これをきれいに返済していくことは、ギリシャにとって長い間に亘って大変な苦難であろう。借金を背負いながら更に他人から借金を重ねて浪費をすることにこれまでギリシャ国民は比較的無頓着だった。今も緊縮は避けたいと言っているが、国が破産したことをあまり深刻に受け止めないことに問題がある。
では、ギリシャの問題は別にして、わが日本の財政状態はどうなのか。日本は今年3月時点で1053兆円の借金大国に陥っており、他人事ではないのだ。尻に火が付いていると言ってもいい状態である。日本国債の格下げも相次ぎ、IMFやその他の国際金融機関へ投資していて一部金持ち国の印象はあるが、先進国の中でダントツに多額の借金を抱えている。他国の台所を心配するのもいいが、自分の国の財政に対してもっと真剣に立ち向かうべきだと思う。その点でバラマキの得意な政治家は、財政健全化にはまったく関心がなく、「財政健全化」はまるで絵空事である。いずれ将来次世代層に降りかかってくることは間違いない。
今日も暑い。風も強かった。全国928観測地・ド・うち猛暑を記録したのは、実に99か所もあった。群馬県館林市では、今年全国で最高の39.3℃を記録した。とにかく暑い。暑い。