2985.2015年7月16日(木) ついに強行採決された戦争法案

 ついに安倍内閣は衆議院で安保関連法案の強行突破を実行した。昨日衆議院特別委員会で強行採決された法案は、今日衆議院本会議で採決された。かつて我々学生と労働者を中心とするデモが国会を取り巻いて猛烈に反対した安保条約改定法案は、1960年安倍首相の祖父・岸信介内閣によって強行採決された。「陽はまた昇る」を実証するように、その岸元首相のできの悪い孫、安倍晋三首相が祖父の物まねを再現して安保関連法案を強行採決したのである。祖父に続き、孫がまた国民を敵に回して憲法違反という大罪を犯すとは何たる無謀な政治家一族であることか。本人はどう思おうと国辱的政治家であることは間違いない。これだから苦労知らず、世間知らずで未熟児の世襲議員は困る。

 昨日から国会周辺では法案に反対するデモ集団はその数2万5千人に膨れ上がり、騒然となった。夜半には雨模様だったが、国会周辺はやっと存在感を示した若者中心のデモによって取り巻かれた。法案は今日衆議院を通過したが、与党議員の中にもほとんど高揚感がないようだ。それは公聴会に出席した3人の参考人である憲法学者がいずれも集団的自衛権行使は憲法違反であるとはっきり述べてから、潮目が変わって重苦しい雰囲気になったからのようだ。これで法案は参議院へ回され、60日以内に成立する見通しである。

 去る4月首相訪米の折アメリカ議会でこの安保関連法案を夏までに成立させて、「わが日本はあなた方同盟国アメリカの手下となって貴国の言いなりになります」と屈辱的スピーチしてから漸く約束ごとに目鼻が立ち、アメリカとの約束を果たせると思っているようだ。アメリカ国務省は「歓迎している。日本は同盟を強化し、地域や国家間の安全保障活動でより積極的な役割を果たそうと継続的に努力している」と高い評価のコメントを発表した。当然であろう。喜んでいるのは幼稚な世襲政治家を中心とする自民党と、今や抜け殻となった創価学会支援の公明党、そして軍事行動から大分手を抜けると喜んでいるアメリカだけである。

 上に挙げた亡国の輩以外に誰も喜ぶような日本人はいない。法案の内容だって分からないという日本人は8割もいる。法案に反対の人が過半数以上もいる。首相は国民には丁寧に分かりやすく説明するなどと呑気なことを言っているが、説明は決める前に為すべきことではないか。こんな状態で憲法を勝手に解釈し、憲法違反を平気で犯す傲岸不遜ぶりで、誰が安倍政権は国家の安全を真剣に考えていると思うだろうか。

 いずれ何年後かには、例え望まずとも日本は戦争に巻き込まれ、またぞろ戦没者遺骨収集事業が行われることになるのだろう。それにしても安倍首相の精神構造はどうなっているのか。

2015年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com