2989.2015年7月20日(月) 役所仕事の無駄と浪費と無責任

 今日は3連休の最後で「海の日」という割合新しい祭日である。「海の日」とは言っても海水浴のできる内海はともかく、最近はクジラやイルカのみならず、マグロの捕獲まで外国との間で漁獲量制限が厳しくなったり、近海では尖閣諸島、竹島、北方領土などの諸問題がこじれて素直に「海の日」を祝う気持ちになれない。そこへ安倍政権が自衛隊海外派遣で目指すのはホルムズ海峡であったり、とにかく海に関しては騒々しい限りである。不幸にも「海の日」に全国各地の海で7名の人が亡くなった。何とかもう少し精神的に落ち着ける静かな「海の日」であって欲しいものである。

 さて、今夕NHKの人気番組「ブラタモリ」のスペシャル版で主役のタモリと女子アナが東京駅地下周辺を探索して、1時間15分に亘り楽しませてくれたが、その中で驚くような「無駄」と「浪費」が発見された。昭和40年ごろ駅地下工事でまったく使用されていない自動車用道路片側2車線、両側4車線が、50mほどとは言え、中途半端なままでき上がっていたのである。どうしてそんな道路を作ったのか、またどうして計画を取り止め延伸工事を途中で止めてしまったのか。なぜこの秘密の地下道路が隠されたまま公表されなかったのか。一部の人間が秘密裏に、慎重に隠してやったことであるから誰も知らなかったし、最早時効だから善しということで済まして良いのだろうか。この工事に掛った費用はどう隠匿されていたのであろうか。東芝の不正会計も驚く地下鉄(道路公団か?)の粉飾決算である。俄かには信じられない珍事でもある。

 これが「ブラタモリ」が地下へ潜るということから事前調査をしたのか、10日ほど前に「発見」されたというのである。これを申し送りしなかった担当者及び上司の無責任さと杜撰さはどこから来るのだろうか。常識的にはとても考えられない。当時地下鉄は帝都交通営団という半官半民の会社だった。半役人が関わったからこれほどの無駄な事業を放ったらかしにしていても問題にならなかったということだろう。

 仮に1m掘り進むために500万円の費用がかかったとするなら、約2億5千万円という大金が浪費されたまま、誰も知らぬ間に半世紀が過ぎたことになる。まったく次元の低い話で呆れ返った次第である。この無駄になった費用は誰が、どうやって今後弁済するのだろうか。

 昨今問題になっている新国立競技場建設見直し計画だって、現時点では責任の所在がどこにあるかまるで分からない。明らかに国の事業であり、役所が関与していたことははっきりしている。にも拘らず、今のところ誰も責任を取ろうとしない。だが、金と時間だけは明らかに浪費された。お役人が関わるとすべてが無計画、無責任でことが進められ、大出費ということになる。

 わが国も毎年政治家の我儘な要求を財務省が抑制できず、予定外の出費により財政大赤字である。この役人天国をどうにかすることはできないものだろうか。

2015年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com