2996.2015年7月27日(月) 参議院で国民反対の安保関連法案審議開始

 今日から参議院で安保関連法案の審議が始まった。国民による反対の声が過半数を超え、学識経験者らが憲法違反と看做し、政府の安保関連法案に関する説明が不十分と考える国民が約8割に達する四面楚歌とも言える状況の中で、安倍大将以下政府軍は強気に進軍ラッパを吹き鳴らし、強引に国民の壁の正面突破を図ろうとしている。案の定今月に入ってから安倍政権に対する支持が先月に比べて大幅に下落し、日経新聞による世論調査では支持率は38%、不支持率は50%となった。2年前の4月には76%と圧倒的な支持率に支えられて安倍首相は有頂天にあったが、油断か、思いあがりか、これなら何でもできると錯覚した未熟なお坊ちゃんの勇み足から、ついに安定内閣に危険信号が表れた。下手をするとこの下降現象はブレーキがかからないかも知れない。

 これからの参議院審議の内容と結果次第では、安倍政権の命脈に黄信号が灯るかも知れない。

 現在安保関連法案の行方が注目を集めているが、安倍政権には他にも人気下降の火種を抱えている。その最も危険なのは、原発の再稼働に関する厄介な問題点である。

 そのひとつは原発立地の議会で議員らが原発の安全性を審査する立場にいながら、形を変えて工事を請け負う会社から報酬を受け取っていたことが明るみになったことである。電力会社や原発賛成派の意を受けて原発による雇用が地域を支えるという地元の意見をきれいごとのように代弁していたのである。

 もうひとつはこれまで原発は安くて大気汚染を考えれば清浄だと言われていたが、福島第一原発事故以降コストは高く、使用済み核燃料の処分問題が片付かず、使用済みのゴミの処分方法が解決していない現状にある。

 特に前者のコスト面では、試算を繰返す度に増えている。現時点で原発の稼働に向け電力11社が見込む安全対策費総額が、少なくとも約2兆4千億円に上がることが分かった。しかも、これで充分と言える金額でないことは今後も予想される。それは2013年1月には約1兆円と試算されていたからである。そして1年後の2014年1月には、そのコストは約1兆6千億円に増えた。それがその1年半後には更に8千億円も増額される事態になったのである。「原発は安いエネルギー」は今や絵空事になった。

 原子炉建屋直下の断層が活断層の可能性が高まった北陸電力志賀原発の地元では、事故の発生を懸念して動揺が隠せない。その一方で、住民投票で同意を得た九州電力鹿児島川内原発では早ければ、来月再稼働を始めるという。本当に大丈夫なのか。近くには桜島活火山がある。原発再稼働に前向きな自民党は、安倍政権の人気の上に胡坐をかいてきたが、下手をすると政権の命取りになりかねないし、共倒れとなる可能性もある。

 さぁ、原発再稼働は本当に大丈夫なのか。ここしばらくは安倍内閣の行動を監視しながら、原発再開の行動を見守っていたい。

2015年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com