5838.2023年5月8日(月) 原発回帰となった日本の原発政策

 昨年11月経済産業省が原発について一歩前向きに突っ込んだ素案を公表した。11月29日付の新聞を読むと、その骨子は、1)原発活用に再びカジ、2)廃炉の建て替え推進、3)原発延長を60年超、ということのようである。

 政府は東日本大震災後、原発の新増設及び建て替えを封印してきた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギーの供給に不安が生じ、当面化石燃料に頼ることになった。そこで将来的な電力の安定供給と脱炭素化の両立のためと称して、国として被災者の感情に目をつぶっても原発開発の見直しをして原発回帰にカジを切ることに踏み出すようである。また、新しく原発を作ってもすぐには営業運転が出来ないので、現行法では最長60年と定めた運転期間を延ばすことを明記した。これによって新たな原発開発が決定したわけではないが、多くの問題が山積みされているので、時間をかけて検討していくという主旨である。

 そもそも世界で唯一の被爆国として原爆、及び核関連事業に対して最も拒絶反応が強い筈の日本が、こう簡単に初心を忘れるとは思いも寄らなかった。自民党の姿勢は、核に対して拒絶どころかむしろ行動的なのである。

 今ウクライナ侵攻で世界中から非難されているロシアが、保有する核兵器の使用を仄めかして核戦争の緊張感と危機感を煽ったことによって、世界はロシア領土への反攻は控えざるを得ない心境である。それでも核を保有していること自体が、大きな軍事的な防衛になると考えている国が多い。現在核拡散防止条約加盟国のアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの他にインド、パキスタン、北朝鮮が核を保有している。その中で、インドとパキスタンは度重なる印パ紛争の過程で、互いに核開発競争を繰り広げてきた。パキスタンのシャリフ元首相の如きは、「日本も核兵器があれば、被爆しなかったはずだ」などと愚かな発言をし、自国の核保有を正当化せんがために日本をダシに使っている。インドとパキスタンの核開発競争は、元々同一民族でありながら宗教対立により国が分離したせいもあり、1988年には印パ両国は、ともに相手国に対する威嚇として2度の核実験を行ったほどである。

 日本の場合は、核開発から核戦争へ進むことを恐れて、すべての核実験に反対を唱えてきた。だが、アメリカへのお追従もあり、日本だけでは決められない体たらくである。日本は今後原発を開発、推進した後に核問題の対応をどうしようというのだろうか。

 さて、一昨日と昨日の暖かさから一転して今日は寒い1日となった。昨日の都内の最高気温が22.3℃だったが、今日は16.6℃である。今日から新型コロナウィルス感染症が、感染症法上のランク「5類」に引き下げられた。東京都内で初の新規感染者が発症してから今日でちょうど1,200日だそうである。国民生活に大きな影響を及ぼしたコロナ対応は、今日から平時へ向けたものとなる。それでも今日コロナの対応は「5類」に引き下げられたものの、世田谷区役所からの案内により、個人的に第6回目のワクチン接種を来る20日に行う予約をしたところである。

2023年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5837.2023年5月7日(日) 英王室の今後の在り方と共和制への動き

 GWも今日が最後の1日であるが、朝から雨模様で午後になってかなり強い雨となった。高速道路もかなり混んでいるようだ。交通渋滞は毎度のことでもあり、ある程度やむを得ないが、事故が起きないよう願っている。こんな雨の中でウォーキングも出来なかった。

 昨日ロンドンで行われたチャールス3世の戴冠式について、今朝の新聞に目をやるとそれなりのスペースは割いている。しかし、記事の内容はあまり前向きでなく、好意的でもないようだ。大雑把に言えば、下記のような内容である。

 ①多宗教と多人種を配慮

 ②立憲君主制から共和制への動き 

 ③広がる英王室離れ 

 それは世界、並びにイギリスの社会状況と取り巻く環境がエリザベス女王時代と大分変化しているからだと思う。加えて大きな影響を与えているのは、チャールス国王自身の首を傾げるような過去の私生活面であると思う。世界でも最も権威があり、日本の皇室に次いで長い伝統を誇る英王室の後継者としては、新王妃ともども配偶者がいながら不倫により、相手と別れて一緒になったというスキャンダラスな経歴では、紳士の鏡のような国イギリス社会では、その行動に理解を得ることは難しいと思う。国王は74歳という歴代最年長で国王の座に就いたが、このままいけばそう長くない間に次のウイリアム皇太子にその座を譲る可能性が高い。それらを考えたうえで政治的権限はないが、伝統ある英王室の玉座を継承する決断をした。

 ①多宗教、多人種を意図的に配慮し、これまではあり得なかった多くの宗教代表者を戴冠式に招いたり、人種の壁を外したり、いろいろ試みていた。実際パレードで行進する兵士の後方には、かなり多くの男女黒人兵の姿が見られた。

 ②については、大英帝国時代の植民地制度の負の遺産にどう向き合うかが問われている。王室として、王室の果たした役割を認めて謝罪すべきであるとの声がある一方で、認めることは賠償問題を助長すると反対意見に分かれ、王室は今板挟みになっている。

 ③ チャールス国王は、現在15か国の元首である。その中でも先進国のカナダとオーストラリアでは近年立憲君主制に反対の声が強い。カリブ海や中米諸国の間でも立憲君主制から共和制へ移行するために憲法改正の動きの国もある。実際オーストラリアでは、エリザベス女王の肖像画が使用されていた5オーストラリア・ドルを先住民の文化と歴史を尊重したデザインに変更すると発表したくらいである。

 そこには、英王室が王室専用の多額の資産を有し、贅沢三昧の王室制度を維持していると反発の声がある。翻って日本の皇室は、すべてを国民の税金によって運営されているので、そのような声は聞かれないが、それでも秋篠宮家の各宮様には、それぞれに別宅があてがわれ、それもかなり贅沢なものだと漏れ聞く。イギリス国民が寄せる英王室への思いを、宮内庁も参考に予算内で処理しているという前に謙虚に控えめに対応すべきであると常に国民の目を意識するよう余計なお節介であるが、一言申し述べたい。

2023年5月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5836. 2023年5月6日(土) 能登半島地震とコロナ緊急事態終了、英国王戴冠式

 昨日午後2時42分(東日本大震災は同じく金曜日の午後2時46分)に能登半島の珠洲市でマグニチュード6.5の大きな地震があり、1人が死亡し、数多くの家屋が倒壊した。夜のテレビ・ニュースでも大きく報道していたが、その最中に2度まで大きな余震があった。その後も余震があって震度1以上の余震は52回もあったという。加えて昨夜から雨が降り出し、今夜には震源地の珠洲市、能登町周辺には大雨警報が出された。これでは被災者は家の中で過ごすわけにはいかない。

 地震と言えば怖いのは原発である。原子力規制庁によると近くの北陸電力志賀原発と東京電力柏崎刈羽原発には異常はないというが、これほど余震が頻発する近くの原発だけに心配である。ドイツがつい最近原発を廃止すると公表したばかりだが、日本では過日今後も原発稼働を進めることを確認したばかりである。これからも地震の都度心配で落ち着かない。

 さて、この3年以上に亘って世界中に蔓延り多くの人々を不安と恐怖に陥れていた新型コロナウィルス緊急事態の終了を世界保健機関(WHO)が宣言した。テドロス事務局長は、根絶はされておらず今後も感染拡大が起こるリスクは残ると語った。事務局長の緊急事態終了宣言の背景には、専門家の助言を受け、ワクチン接種や感染により免疫力が高まり、死亡率が下がったことを挙げている。同時にテドロス事務局長はコロナが世界的な健康上の脅威ではなくなったというわけではなく、今以て3分にひとりのペースで死者が出ていると指摘している。つい一昨日区役所から6回目のワクチン接種の案内が郵送されたばかりで、今月中には接種をする予定である。

 3月10日時点でコロナに罹った感染者は、世界で6億7千6百万人、死者は688万人である。断トツに多いのは、アメリカで感染者1億3百万人、死者は112万人である。日本は感染者が3千3百万人で、死者は7万3千人である。世界でも6番目に多い。異様なのは、ブラジルとロシア、中国であろう。ブラジルは感染者数が日本とそれほど変わらず、3千7百万人である中で、死者がアメリカに次いで多く日本のほぼ10倍の70万人を数える。ロシアも感染者が日本の3分の2であるにも拘らず、死者は日本の5倍の39万人である。あと中国が提示する数値がまったく信用出来ないことである。感染者数は僅か2百万人しか発症しておらず、世界で49位である。その一方で死者は8万7千人で世界でも5番目に多い。コロナ発生の地と言われながらもその責任感が感じられず、何か月も死者が出なかった点を追求されるや、以後中国国内の感染者と死者などの統計資料をWHOに提出することもなく、その数値はまったく当てにならない。アメリカに拮抗する世界の経済大国と大言壮語するくせに論理的な言動を示して責任を果たすことはしない。世界をただ煙に巻いているだけである。もう少し自国のことばかりでなく、世界の人々のために有益な行動を取ることは出来ないのかと中国政府に問いたい。

 さて、今日5月6日は、チャールス・イギリス国王の戴冠式が行われ、日本からは天皇・皇后両陛下の名代として秋篠宮ご夫妻が出席された。日本時間で今夜7時から戴冠式の実況放映が行われた。チャールス新国王は、これまでその言動やスキャンダラスな私生活面であまり芳しい評判は聞かれない。戴冠式を終えて雨の中ではあったが、多くの人々が戴冠式会場のウェストミンスター寺院からバッキンガム宮殿へパレードして戻り、バルコニーから新国王夫妻が観衆に手を振られた。恙なくスケジュールをこなしたようだ。イギリスも政治的には難しい舵取りを迫られる立場にいるが、国王には政治にかかわる権限はない。それでも英帝国時代の宗主国としての影響力は依然強いものがあり、国王としての鼎の軽重を問われることもあるのではないだろうか。

 

2023年5月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5835.2023年5月5日(金) 「子どもの日」に際して思うこと

 GWも後半に入ったが、天候は暖かさを通り越して暑い感じすらある。今日の東京都内の最高気温は25.6℃だったので、もう夏日である。横浜に住む次男家族と自由が丘で食事をしたが、5人の孫たちの中で最年少の小学4年生の孫娘の背丈が、しばらく会わない間に随分高くなって140㎝だと聞いて正直驚いている。尤も今日はラグビーの試合があるからと言って来なかった上の男の子は、中学1年生に進学したばかりだが、すでに170㎝を越えているので、祖父の私や父親を追い越してしまっている。2人の孫は、素直な性格で健康なので、このまま横道に逸れず生地のまま逞しく成長して欲しいと願っている。

 さて、今日は「子どもの日」で国民の祝日である。国民の祝日に関する法律の第2条に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日と定められている。この日から1週間は、「児童福祉週間」とされ、この1週間は、子どもの健やかな成長、子どもや家庭を取り巻く環境について、国民全体で考えることを目的に、児童福祉の理念の普及・啓発のための行事が行われることになっている。翻って自分自身の子ども時代を思うと、昭和14年の初節句の折に、床の間の兜と鯉のぼりの五月人形をひな壇に飾ってそのひな壇の前でソファーに座らせられた生後半年の写真が、時代を思わせる。その写真は恥ずかしながらHP上に載せている。

 この国民の祝日を定めた法律は昭和23年に制定されたものだが、それ以前は「端午の節句」の日として、子ども全般ではなく男の子のためのお祝いの日だった。その後戦後になって男の子と女の子の垣根は取り払われ、子ども全般に対する国の支援は、少子化ということもあり、年々手厚くなっている。

 今内戦中のスーダンや、タリバンが政権に復帰して露骨な女性蔑視社会となったアフガニスタンでは、子どもに対する放置、虐待も目に余る。とても「子どもの日」法案と同じ考えの欠片も見られない。その点では日本では漸く欧米並みに子どもの人権に対してリスペクトする空気が社会に漂ってきている。

 問題は、子どもたちに手厚い保護をして行き届いた教育を行うのは当然であるが、それを子どもたち自身が、当たり前と思い、つい甘え過ぎるようなことになると、折角そこまで育てた父母の愛情の他に、金銭的な支援を提供してきた国や社会に対して厳しく言えば裏切ったことにもなりかねない。愛情深く育てるのは良いが、指導の方法を間違えると逆効果になる。その典型を世襲政治家たちの行動の中に読み取れることがしばしばある。

 ついては、Google Search Consoleとして毎月Googleが、私の HPへのアクセス分析を知らせてくれるのだが、4月分が一昨日送られてきた。その中でアクセスが多かったのは、昨年8月16日にブログに書いた「つまらない新聞連載小説」で、これは過去に2度ばかり挙がったもので、その都度コメントした。新たにアクセスが多かったのは、2003年ギリシャ政府観光局長賞に入賞した拙稿「フィロクセノス」というエッセイだった。その時の審査委員長は阿刀田高・元日本ペンクラブ会長で、その後私がペンクラブへ入会するようになったのは、小中陽太郎氏にその阿刀田氏をご紹介いただき、お二方のご推薦をいただいたからである。このGoogleの視点と分析には中々興味深いものがある。

2023年5月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5834.2023年5月4日(木) プーチン暗殺を狙い?ドローン飛行 

 昨晩突然モスクワのクレムリンにドローンが飛行し、撃墜されたシーンが出て驚いた。ロシア側は、ウクライナがプーチン大統領暗殺を謀って攻撃が試みられたものだと公表した。それに対してウクライナのゼレンスキー大統領は、我々は自国の領土内で戦っていてプーチンやモスクワを攻撃はしないと否定した。ホワイトハウスの報道官は、憶測で言いたくないし、現時点で真偽は確認出来ていないと慎重なコメントを述べたに過ぎないが、アメリカのシンクタンクはクレムリンへのドローン攻撃はロシアの自作自演の可能性があるとの分析を明らかにした。このところロシア国内で、2日続けて列車が爆破され脱線事故を起こして何かと疑心暗鬼に陥っている。

 今朝のワイドショーを見ていても専門家たちが、いくつもの可能性を推測していたが、私の見方はアメリカのシンクタンクが分析したようにロシア側の独り芝居のような気がしてならない。その理由は、ドローンが正しく撃墜された時クレムリンの建物の上には落下しなかったし、ウクライナからモスクワまでスピードは速くもないドローンが無傷でロシア領内を飛行することが可能か否か疑問だからである。つまりロシア国内から発射されたのではないかと思う。それにプーチン大統領暗殺を企むなら、深夜どこにいるか分からない建物を狙撃するより、プーチン氏が屋外で儀式などに出席している時に狙った方が狙う立場からすれば、狙いは確実である。その意味でもっと可能性のある暗殺実行計画を立てるのではないだろうか。ロシアはこの事件を言いがかりに身勝手な理屈をつけて、核戦争へのボタンを押しかねない。それだけは絶対避けてもらいたい。

 さて、今日は「みどりの日」である。憲法記念日と子どもの日に挟まったゴールデンウィーク(GW)も真っただ中で、各地の観光地の人出は予想以上である。交通機関も混み、道路の渋滞も想像を超えるものだ。コロナ対策も緩和され、これまで苦戦を強いられていた観光業者らはホッとしているかも知れないが、逆に最近のコロナ新規感染者は増え続けている中で、このままマスクを着けない人々がひしめき合って大丈夫だろうかとつい気になる。

 近くの駒沢公園で先月27日から今月7日まで「餃子フェス」が開かれ、大勢の人が繰り出しているのを昨日テレビで観て、今日ウォーキングの足を少し伸ばして会場である駒沢公園内の大広場へ行ってみた。広場では数多くの屋台やテントが張られて、歩くことが出来ないほどの混みようでそれぞれ店のカウンターも覗き込むことが出来ない。隣の陸上競技場では、ジュニア陸上競技チャレンジカップと称する小学生の全国大会が開かれていて、レースを2つほど見学した。いつもは比較的静かな公園周辺であるが、餃子フェス会場の熱気たるや相当なものだった。単なる冷やかしだったので、直ぐに帰ってきたが、マスクを着けていない人が、これだけ押し合いへし合いだとコロナ新規感染者が増えるのではないかと少々不安になった。

2023年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5833.2023年5月3日(水) 憲法記念日に思い出す中学生時代の憲法談義

 今日は戦後になって新憲法が施行された日である。1947(昭和22)年の施行に先立って広く公布されたのは、前年の11月3日である。奇しくも私の8歳の誕生日だった。小学校では憲法という国の方針、ルールが決まったと担任教師から話があったことだけは覚えているが、当時はとんと関心がなかった。実際に憲法に関心を抱いたのは、53年京都市立中学3年生時代である。同年に警察予備隊が保安隊と名を変え、54年に自衛隊となり、53年7月には朝鮮戦争が停戦となり社会科の教師から授業で、憲法についてかなり具体的に教えられ、新憲法には終戦後日本は戦争を放棄して、今後軍備は一切持たないことを第9条にはっきり書かれていると教えられたことを思い出す。その折私は教師に「もし外国から攻めてきた場合軍隊がいなければそのまま占領されるが、そのままで良いのでしょうか」と質問した。はっきり覚えているが、その時教師は、そのままで良い、抵抗しない方が良いと応えられてそれ以上何も言えなかったことを今以て覚えている。その時の教師は何を考えておられたのか分からなかったが、学生時代に60年安保闘争に参加するようになって、あの時の教師の考えていることがぼんやり分かったような気がする。

 残念ながら戦後自民党政権は、年を追うごとに憲法を改正し再軍備を行うことに懸命である。今ではわき目も振らずに改憲へまっしぐらである。あの改憲論者だった安倍晋三元首相が、あまりにも露骨に改憲賛成を打ち出したために、毛嫌いされ改憲の支持者が伸びなかったが、岸田現政権になってから狡猾にも表向きは如才なく振舞いながらも安倍氏以上に改憲へ向かい出した。世界最大の軍事国家である同盟国・アメリカ政府の歓心を買うべく、アメリカが望む防衛予算の大幅増額をはじめ、在日アメリカ軍経費の補助、アメリカから軍需品の買い付け、等々アメリカ政府のご機嫌取りにばかり目が向いている。その結果防衛費予算は大幅に膨れ上がった。今年度の予算は、過去最大で6兆8千億円で昨年度の当初予算と比べても1兆4千余億円も過大で、1.3倍と大幅な増額となった。向こう5年間の防衛費予算総額は、実に43兆円となり、それ以前の5年間の総額だった27兆円に比べて約1.6倍にもなっている。

 現状はとうに憲法改正論議以前の問題となっており、再軍備はすでに走り出して自衛隊は明らかに憲法を冒してもう軍隊となっている。このせいか、現状容認の世論調査によると岸田政権になってから憲法改正賛成論者が着実に増え、最近の朝日新聞の調査によれば、「変えない方がよい」が55%で「変える方がよい」の37%を上回ってはいるが、これまでの自衛隊の「専守防衛」義務は、今後も維持すべきとの声が59%もある一方で、見直すべきとの声も急速に伸びており、その差は年々狭まっている。

 怖いのは、防衛費予算拡大に伴って急速に取り上げられている「敵基地攻撃能力」保有について52%が賛成していることである。何が故にこのように戦争へのめり込んでいこうとするのか。戦争の惨めさは、戦争が起こる都度誰もが感じている。それでも昨今の日本人は戦争を知らない世代が圧倒的に多くなり、まるでAIで代理戦争を戦っているような感覚で戦争に悲壮感を抱かずに傍観しているだけである。それ故戦争を知らず戦争に無神経な世代が、各界に進出することが恐ろしい。せめて戦争を知る我々後期高齢者世代がこの世から皆いなくなってから、好き勝手に戦争をやってくれと皮肉のひとつも言ってやりたいものだ。

2023年5月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5832.2023年5月2日(火) 野球人気盛り返しのためルール改定 

 WBC優勝以来、メジャーリーガー大谷翔平選手の活躍がアメリカでも目立っている。日本でもプロ野球の人気が陰に隠れてしまったほどだ。アメリカのMLBの試合が連日NHK・BSで放映されるようになって大谷選手以外の日本選手の活躍もTV画面で観られるようになった。アジア及び太平洋諸島コミュニティを支援する非営利団体「ゴールド・ハウス」が選ぶ2023年同地域を代表する人物リスト100人の1位に、昨日2年連続で大谷翔平選手を選出したと発表した。その団体の権威がどれほどのものか不明だが、それでも大谷選手の活躍が各方面で高く評価されているひとつの証拠であろう。大谷人気も大したものだと思う。

 ところが、野球の本場であるアメリカでは野球人気は近年今ひとつ盛り上がりに欠けるようだ。一番人気のあるスポーツは、アメリカン・フットボール(NFL)、次いでバスケット・ボール(NBA)、3番目が大リーグ(MLB)で、4大スポーツの4番目がアイスホッケー(NHL)である。野球とそれら3大スポーツを比較してみると、野球はプレイする時間と競技場の面積が統一されていないことが他のスポーツとは異なる。例えば、3つのスポーツは、試合時間が決められているが、野球は終了時間が決まっていない。更に競技場の広さは、3つのスポーツはそれぞれ同じようにきまっているが、野球場だけが異なる。各グランドによってホームベースから外野席の塀までの距離がマチマチで、更に塀の高さもバラバラで、仮にホームから外野の塀までの距離が同じであっても塀の高さが異なるため、ホームランになったり、外野手に捕球されたりする。運不運がある。こんなスポーツはあまりない。

 大リーグが、人気の盛り返しを図って、今シーズンから試合中に無駄をカットして時間の短縮を考えルールを一部改正した。ゲーム中に投手がボールを持ったまま何もせずにプレート上に漠然と立っている無駄な時間や、バッターが中々打席に入らないことに制限を加えようとして採用したルールが、投球間隔の時間制限をした「ピッチクロック」と言われるルールで、投手にとっても、打者にとってもぼんやりとしていられない厳しいルールである。他にも極端な変形守備体制、例えば1・2塁間に3人の内野手が守備することを禁じた。大リーグの試合時間が、このルール適用によってかなり短くなった。昨シーズンのMLB平均試合時間が3時間3分だったのに引き比べて、今年は4月30日までの試合の平均時間が2時間36分というから30分ほど短縮されたことになる。初めは慣れないだろうが、いずれ慣れてくれば、試合の緊張感も高まり、人気も取り戻すことが出来るようになるだろう。MLBの生き残りを賭けた実験であると思う。

 それに比べて日本のプロ野球界はこれから検討するというが、どうも感度が鈍いようだ。社会人の日本野球連盟では、今年から「スピードアップ特別規定」として、このピッチクロックの導入を決めた。何事もそうだが、ルールさえ整備すれば良いというものではないが、これをきっかけにもっと洗練された野球を見せなくては元も子もない。日本プロ野球機構もどうしたら、もっとファンに喜んでもらえるゲームを出来るかを真剣に考えるべきであろう。

2023年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5831.2023年5月1日(月) 新聞購読者数の減少はどこまで続く?

 いま2つの視点から注目されていることがある。注目されているのは台湾の在り方と、中国との対応である。それは国際的に進む台湾離れと、中国へ経済的に寄りかかって負った多額の負債である。今日判明した南米のパラグアイ大統領選で、台湾との国交維持派の44歳の与党サンティアゴ・ペニャ氏が中国との国交を主張する野党候補に勝利した。南米では今年3月にホンジュラスが台湾から中国へ国交を鞍替えしたばかりで、パラグアイは南米で唯一台湾との国交を継続する国となった。台湾としては正式に外交関係を結んでいる国は、今では13か国に減って中国の外交圧力が強まっていただけにさぞホッとしていることだろう。

 この期に及んで何故パラグアイは恩のある台湾と手を切ってまでして、一帯一路の中国と国交を結ぼうとする声が強まったのか、そこには貿易面で支援を得たいとの腹積もりがあったらしい。台湾はかつてパラグアイの貧困密集住宅を取り壊し、8,500戸もの団地住宅を建設して提供したり、国会議事堂の建設資金を一部援助、また医療施設等社会福祉施設建設資金を供与したり、パラグアイの厚生面で貢献した。貧民住宅に住んでいた住民たちは台湾への感謝の気持ちを語っている。それを敢えて無視しても中国との外交関係を締結することに賛同した国民には、農業国であるパラグアイが中国に向けて農産物の輸出を拡大しようとの思惑があるからである。アメリカにも南米の反米感情をたきつけた原因があることを承知しているので、ペニャ氏のテコ入れのために選挙前にパラグアイを訪れていたアメリカのブリンケン国務長官もきっと胸をなでおろしていることだろう。

 さて、読書離れと同じく新聞購読者離れが加速しているようだ。かつては、大手新聞社の中には1千万人の購読者を誇っていた新聞社もいくつかあったが、今や見る影もなくなっている。例えば、購読読者数は漸減傾向にあるが、その中でも22年上半期時点で5大紙の購読数は大きく後退した。読売686万部、朝日430万部、毎日193万部、日経175万部、産経102万部にまで減少した。当然経営は苦しい。

 実は、今月から朝日は月額500円の値上げをするとともに、今日から紙面の文字を若干大きめにした。出来るだけ読者が読みやすいようにとの配慮であるが、確かに老眼傾向の我々高齢者にとっては読みやすくなって助かってはいる。同時にポストに読売新聞のハガキ大の広告紙が入っていた。それを見ると朝夕刊合わせて月額4,400円の購読料を読売は「価格据え置き」というものであるが、それは4,900円に値上げしたA紙と比べて月額500円、年間6千円もお得とライバル攻撃の宣伝をしている。裏面には、「本紙は値上げしません」「本紙購読料値上げせず」「読者に奉仕 個別配達網を堅持」と得意げに書かれている。だが、その傍に小さく「少なくとも1年間」と書かれている。あわよくば来年からは、値上げさせていただくとの魂胆であり、やせ我慢と嫌らしさを感じる。

 新聞各社は押しなべて今苦境に立たされていて、日経ではこのところ中堅社員の退職者が後を絶たないという。先に毎日新聞社は法人税支払いを中小企業並みの少額に抑えるべく、資本金を1億円まで大幅に減資した。中日新聞社は決して経営状況が悪いわけでもないが、一気に海外支局5か所をクローズすることになった。それもロンドン、パリ、モスクワ、ニューヨーク、カイロの世界でも情報収集に欠かせない大支局でもあり、それを今後共同通信と時事通信に委ねるようだが、社内外から厳しい声が漏れ伝わっている。

 それにしても新聞の購読者が年々減少していくようになれば、ニュースを知る手段としてはテレビとスマホだけになってしまうのだろうか。これでは、益々新聞は読まず、文字を知らず、文章を書けない日本人が増えることだろう。

2023年5月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5830.2023年4月30日(日) GWに観光客は戻って来るか?

 最大で9連休となる今年のゴールデンウィークが昨日から始まった。早くも各地の観光地では多くの人で賑わっているようだ。実際昨日都内中野への往復の交通でも、かなり車内は混みあっていて、計8回の電車、バスの乗車機会に1度だけ山手線の優先席に座ることが出来た程度で、他はラッシュアワー並みの混みようだった。新型コロナ感染対策の緩和が進み、各地に観光客が戻ってきているようだ。しかし、観光業者にとってはお客が戻ってきたのは有難いが、コロナ禍のために従業員を減らしたところでは、急速にその補充が利かず従業員の人手が足りずに対応に苦慮している。空の便も国内線は、93.5%に戻った。JRも新幹線をはじめとして、座席指定列車の予約は順調のようで前年比1.4倍まで回復した。各地の高速道路もかなり渋滞が予想されている。

 JTBがまとめたGW中の宿泊旅行の見通しでは、総旅行者数を2,470万人、総旅行費用額を9,040億円と推計している。この内訳は、国内旅行者が前年比153.1%の2,450万人で、コロナ直前の2019年の数値にほぼ戻ってきた。海外旅行はコロナ予防のための水際対策が昨29日を以て終了した。そのせいもあり近場のハワイと韓国に人気があるようだ。

 一方、訪日客がこのところ目立って増えている。本年5月の外国人訪日客は215万人と見られ、19年の277万人にはまだ及ばないが、昨年は僅か14.7万人だったことから考えればインバウンド市場はかなり回復したと言えよう。来る5月8日から政府が感染症の位置付けについて、「5類感染症」に移行することが決まった。今後の観光業に明るい予測が立てられるだろうか。

 さて、昨日スーダンからの日本人避難者48人を乗せた政府チャーター機がジブチから羽田へ戻ってきた。現地で治療に当たっていた医師の話によると、首都ハルツームから国連の車両群に交じって紅海沿岸のポート・スーダンまでほとんど寝ないで約30時間もドライブし続けたそうだ。道中生きた心地がしなかったのではないだろうか。

 このようにアフリカが緊迫した情勢にある中で、岸田首相が昨日午前エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークなどアフリカ4か国歴訪に出かけ、今日真夜中(日本時間)に最初の訪問国エジプトに到着し、早速シーシ大統領と首脳会談を行った。訪問する4か国はグローバルサウスと呼ばれウクライナ情勢では中間的な立場を取る国々が多い中で、比較的民主主義国であり、連携を図る考えのようである。特に中国がアフリカ諸国へ進出しつつあるのを警戒しつつ、エネルギーや食糧問題などを話し合う予定である。訪問の成果を確実に上げてくれることを期待したいと思う。

2023年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5829.2023年4月29日(土) 久しぶりに尺八、御箏、三味線を聞く。

 小田急在職時から熱心に尺八の修行をされておられた先輩が、今ではその道のプロとして活躍され、例年通り今日も都内の「なかのZEROホール」で開催された第45回関東演奏大会で技を披露された。先輩は、会社を中途退職されたが、今では都山流丈清会の代表を務めておられる。この関東演奏大会も公益社団法人日本尺八連盟の東京、埼玉、神奈川各都県支部が主催したものである。入場者はやや少なく寂しい印象を受けたが、尺八、御箏、三味線のお師匠さんやお弟子さんたちが日ごろ鍛えた腕を披露された。先輩はいくつかのグループの演奏では、主にリーダーとして演奏されていたが、ただ先輩だけがひとり独奏もされた。中々格調高いもので耳にする音色は聴き易かった。まぁ貫禄というところであろう。

 ただ曲目は、普段西洋音楽を聴きなれている耳には、和風の音はほとんどが初めてで、尺八、御箏、三味線が織りなす音色は風情があるが、口ずさむというわけにはいかない。特に、島崎藤村の詩に曲をつけた「千曲川旅情の歌」は、まさに「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず 若草もしくによしなし」を表しているのだが、気持ちが曲に入り込めないせいか、高校生時代に国語で習った時ほどの感情移入はなかった。しかし、全般的に普段テレビでやや煩いほどの音量に早口で意味不明の歌詞の曲を聞かされているだけに、歴史のある和風音楽は落ち着くような気持ちがする。

 さて、プロ野球界ではWBCで日本が優勝した結果、活躍した日本代表チームの選手、特にメジャーリーガーの人気が盛り上がっている。最近テレビでは、日本のプロ野球よりMLBの試合実況、当日の試合結果の方が優先されるほどで、日米の時差の関係もありNHK・BSの朝はMLBの実況がある日が多い。このところロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手が投手として、また打者として二刀流で活躍しているせいもあり、日本球界の実力をアメリカ人も見直すようになった。特に大谷選手への評価にはプレイはもちろん、その礼儀正しい受け答えや、いつもスマイルを絶やさぬ姿勢に人気はウナギ上りである。今では多くの日本選手がメジャーリーグで堂々と活躍しており、彼らへの評価は高い。

 このブームはイチロー選手が渡米する前には想像も出来なかったことである。イチローがメジャーリーガーとして活躍して、彼が日米通算安打数もピート・ローズ選手を追い抜いた時、ローズ自身もイチロー如きにライバル扱いされたのが、よほど癪に障ったのか、誇り高いローズが何と言ったかと言えば、プロの選手が記録を伸ばしたらそれは認める。しかし、プロの記録と高校生の記録を足した数字と自分の記録と比べるようでは話にならないというような話をしていた。つまりイチローが日本で作った記録は、レベルが低い中で達成したものだとして話を寄せ付けなかった。一度だけそのローズ選手の試合を観たことがある。それはフィラデルフィアでレッズから移籍してフィリーズに在籍中のことだった。バッターボックスに入るや、ファンは「ピート!ピート!ピー!ピー!ピー!」とそれは煩かったものだ。

 日本の選手がアメリカをはじめ、海外で活躍するのは嬉しいし、力になるものだ。これからも才能ある日本人選手が活躍してくれることを期待している。

2023年4月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com