6028.2023年11月14日(火) 円安に無策の財務相はこのまま留任か?

 このところ円安市場が続き一向に止まる気配が見えない。根本的にはアメリカの長期金利が高く、日本の低金利との差が大きく開いているため、金利差の拡大が投資家にドルを買い円を売らせるような市況が続いている。13日のニューヨーク外為市場で円安ドル高が一気に進み、円相場は一時、1㌦=151.92円となった。これは今年の最安値である。今年1月には127円台だったものが、今や151円台である。これでは原油など輸入関連商品は堪ったものではない。

 この円安傾向について、管轄する鈴木俊一・財務大臣の対応にどうも納得がいかない。財務相は「よく市場を注視し、緊張感を持って見ながら、しっかりした万全の対応をしていきたい」である。またも「緊張感を持って注意深く見守る」の決まり文句である。何度同じ言葉を聞かされたことか、これは円安が進むたび毎に鈴木財務相が言う決まり文句である。いらいらしている投資家を安堵させる発言はまったく聞かれない。つまり下手に金利をいじくったりして大損害を被ったら、その時の批判が怖いので、判断はすべて日銀に任せて危険の伴う手は打たず、無難な発言に抑えておくという印象が強い。鈴木善幸首相の子息で二世議員らしい煮え切らなさである。

 鈴木大臣は、今回の神田憲治元副大臣の固定資産税滞納スキャンダルに際しても、直接の部下であり、同時に補佐役である筈の副大臣の行為に対して、何のお咎めもなかった。まるで他人事のような態度である。財務省とは無関係と言わんばかりである。本来なら大臣として財務省に務める職員の規律に関して厳しく対応すべきところを、一切触れようともしなかった。こういう大臣の「触らぬ神に祟りなし」の性格が副大臣の野放図な行動に表れたと言われても弁解出来ないほど、神田元副大臣同様に鈴木財務大臣の責任は重いと思う。国家の財政の総責任者であるので、鈴木大臣にはもう少し毅然として業務と人事管理に当たってもらいたいものである。財務大臣としては荷が重いなら、そろそろ適材適所の大臣に替えてもらった方が良いのではないかと思う。

 国内ではそんなすっきりしない大臣がいる一方で、イギリスの閣僚交代にはちょっと驚いた。スナク首相が、昨日ブラヴァマン内相を解任し、その後任にグレヴァリー外相を任命した。そして驚いたのは、外相にすでに政界を引退していたキャメロン元首相を推挙したことである。キャメロン氏は今では国会議員ではないために、政府によって上院(貴族院)に推され、一代貴族のキャメロン卿・外相として、大変な時の渦中にあるスナク首相を支えるという。キャメロン外相は2016年にイギリスが、EU離脱、いわゆるブレグジットを巡る国民投票で離脱が決まったことを受けて首相を辞任した過去がある。翻って元首相が政府に復帰するのは、1970年以降初めてということでイギリスでは一部に党内分裂の危機を孕むとの噂もあり、EU内でも大きな話題になっている。

 ことの是非は別にしても派閥争いにうつつを抜かしている日本の政治家にはとても考えられない発想と行動力である。

2023年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6027.2023年11月13日(月) 優秀な中学生が公立高校に入学しない。

 昨日講演をした会場に、途中から母校・湘南高校校長が来場され、母校の現況についてかいつまんでお話をされたが、その折に公立高校の受験についてこんな話をされた。それは、今小学生が私立中高一貫教育校の中学校を受験・入学してそのまま高校へ進学する傾向が強く、公立高校を受験する優秀な中学生が少なくなったという話だった。特に神奈川県は東京都と同じような問題を抱えている。そこで県内の公立高校ではその対策として、小学生対策を考え始めたそうである。昨日も校長はその会合に出席した後で同窓会支部総会に出席された。受験競争もひところのように塾へ通って受験勉強に勤しむような傾向は薄れつつあると考えていたが、その奥深いところで受験競争は別の形で進んでいたのだ。実際自由が丘駅周辺には、‘SAPIX’など中学受験学習塾に小学生が大勢通っている姿をよく見かける。少子化とは言え、受験戦争は相変わらずホットで子どもたちにとっては、大きなハードルとなっているようだ。多くの優秀な中学生が母校を受験して、入学してくれることをOBとしては期待している。

 さて、次は大学運動部の不祥事についてである。日大アメフト部の大麻事件がその事後処理と大学側の対応の不手際を巡って、大学執行部の運営管理問題にまで発展しているが、それでも死者が出るような事態にまでは至っていなかった。ところが先月明るみに出た近畿大学剣道部では、酒のうえのことから遂に死者が出てしまった。驚いたのは、事件の際飲んだ過剰なアルコール量である。未成年者1人を含む6人の剣道部員が飲み屋で飲んだアルコールの分量は、とても並みではない。ビール10杯、レモンチューハイ12杯、赤ワイン13杯、日本酒18合、サワー酒2杯、梅酒5杯、焼酎3杯というから驚きで、如何に酒好きとは申せ、6人の大学生が飲むには大量過ぎるのではないだろうか。挙句に酔っ払ったひとりが、仲間を殴り死なせてしまったのである。

 近年大学運動部には、不祥事が続出している。219大学が加盟する「大学スポーツ協会」の調査によると、過去10年間に運動部員が処分された不祥事は、76件もあったという。その背景には、大学による運動部の管理体制が、緩いことが原因として挙げられている。どうしても学生自治の原則があるために、運動部の運営に大学側が口を出し難いという。また、個別にはスポーツ中心の生活になる運動部員は、社会との接点が希薄になり易いとも言われている。スポーツ強豪大学の運動部員には、合宿所と練習場間を往復するだけの毎日が当たり前になっていて、授業に出席せず、社会とのふれあいもなく、個人主義的な生活を檻のような中で送り勝ちになる。スポーツだけが取り柄の大学生は、仮にそれを止めれば存在感のない学力不足の大学生となってしまう。これでは、もしスポーツの力が伴わなかった場合には、落伍者になってしまう。大学にとっても由々しき問題である。

 ところで、国会議員の不祥事でこんなふざけた事態があった。ほんの4日前に神田憲次・財務副大臣の固定資産税滞納問題が発覚して、政務3役の不祥事続きにより3人目の辞任から思いきや、当人は職務の遂行に全力を尽くすと開き直っていた。しかし、税金関係の本家本元の財務相の№2が冒した脱税については、野党のみならず与党内からも批判の声が上がっていた。その神田副大臣が今日になって辞表を提出した。実情は更迭のようである。辞任の弁も「国会運営にこれ以上、迷惑をかけられない」というものであるが、税金滞納の自身の責任を取るとは一言も言わない。これでは、自らの罪を逃れ責任転嫁しているようなものではないか。それにしても「適材適所」と岸田首相が9月に新政務3役を任命した時は胸を張っていたが、「不適材不適所」となってしまった。岸田号はこのまま下り坂を下りっ放しとなるのだろうか。

2023年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6026.2023年11月12日(日) パレスチナについて異なる視点から話す。

 11 月3日85歳の誕生日に依頼された講演を今日行ったが、僭越ながらも、まずまずお役目を果たせたと思う。講演したのは、7月末以来である。母校・湘南高校同窓会の神奈川県大和市の湘北支部本年度総会の行事の一環として、もうひとりの講師、アマチュア講談師とともに時間を半々に分け合って行われた。私の講演タイトルは紹介者の希望もありタイムリーな「パレスチナ・イスラエルの紛争の原因」とした。中東問題の専門家でもなく、研究者でもなく、あまり詳しく解説するほどの知識もないので、この紛争の実態を知ることが出来るのは、日ごろから臨場感なしには難しいと考えているので、私なりに持論の要点を3つほど絡ませたいと思った。それは、1つには、臨場感の大切さ、2つ目はイスラム国に囲まれいつもその圧力を感じるイスラエルの立場、3つ目は、戦争の恐怖と不安、というような点を主題と絡ませながら話を進めた。私の武者修行中の危機一髪の体験も話すことによって臨場感の大切さを分かってもらえたと思っている。講義中に聞き手が興味深そうに耳を傾けてくれていた表情を見て安心した。講演後何人かの人に聞いてみたら反応は良かったので、ホッとした。今日の講演を紹介してくれたのは12年先輩で今年95歳になる酒造会社の経営者である。お世辞もあるだろうが、良かったと仰っていただいた。

 途中から仕事を終えられた校長も出席されたが、一番驚いたのは、母校OGでもある初代赤木愛太郎校長のお孫さんが、杉並区荻窪から出席されたことである。赤木先生は母校創立時の校長で、極めて稀なことだが、27年間もの長期に亘り校長を務められた。赤木先生の銅像が教職員室の前に建てられて周りは小綺麗に整備され「赤木苑」と呼ばれている。先生は、当時一流校だった新潟長岡高女の校長だったのに、敢えて新設される母校の初代校長になり、母校を日本一の中学校にするとの強い意思と熱意で、今日文武両道の母校の校風を確立された功労者である。特に今日講談師が話された「赤木愛太郎校長一代記」では、母校の建設場所などについても、当時の藤沢町町長とともに関係筋に交渉して結果的に現在地に建設されることが認められたと話された。また、校歌についても、他校の素晴らしい校歌の作詞者、作曲者を調べて、北原白秋作詞、山田耕筰作曲以外は考えられないとして、お2人に直接お願いし、母校にも来ていただき環境、風景、などを実際に知っていただいてあっという間に作っていただいたという話だった。

 われわれの在校時代にも生徒は皆見ぬ赤木先生を尊敬し、恰も創立者の如き扱いは、県立高校としては少々異質であったかもしれない。それでも母校では、今でも何かというと赤木先生の噂話が出てくるというのは、やはり人格的にも秀でていて多くの生徒たちが慕っていたからだろう。残念ながらご存命中にお会いしたことは無かったが、創立時の校長がこのように立派な方だったことを母校とともに大いに誇りにしたい。

 さて、今日びっくりするようなニュースを知った。先日プロ野球・日本シリーズで59年ぶりとなった関西チーム同士の対決が、関西地区を盛り上がらせ、セ・パ両リーグの阪神とオリックスが優勝したのを祝い両チームの優勝祝賀パレードを行うことに、大阪の経済団体や、大阪府と兵庫県などが作る実行委員会が寄付を募った。それはそれで好いと思う。問題なのは、その寄付を大阪府が教職員を主に公務員へ3千円以上、更に交通誘導のボランティアを募り、あくまでボランティアということから交通費など一切支給しないというのだ。プロ野球のお祭り騒ぎによくぞこんな乱暴で半強制的な指令を公務員に出すものである。いかにも大阪らしいと言えば、そうかも知れないが、プロ野球ファンでもない公務員らはどうしたら良いのか。大阪府の良識と判断力はここまで落ちてしまったのか。

2023年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6025.2023年11月11日(土) ドイツ人はホロコーストのトラウマに

 パレスチナ・ガザ地区で1日4時間の休戦を承認したイスラエルのネタニヤフ首相が、意外にも今国内では批判に晒されているという。政府寄りの新聞が、首相として相応しくないという人が28%だと伝えたが、これは岸田首相の支持率とほぼ同じである。その大きな理由は、安全保障上の不安があり、その最たるものがハマスの空爆を防げなかったことである。首相は軍部との軋轢もあり、前国防相とは相容れなかったが、前国防相への国民の支持率が、首相を遥かに上回る48%だったというから国内の混乱は収まりようがない。

 そんな折も折、ナチス・ドイツによるユダヤ人への本格的な迫害の転機になったと言われる事件「水晶の夜」から85年が経った一昨日、例年通りドイツ各地で追悼式典が行われた。その折ショルツ首相が強調したのは、あらゆる反ユダヤ主義と戦うと述べた。併せてイスラエルを支持すると語った。公共放送ARDが行った世論調査では、民間人に被害を及ぼすイスラエル軍の攻撃については、「正当化できる25%」を「正当化できない61%」が大きく上回っており、シュルツ首相とドイツ国民の間には、イスラエル政府の対応について考え方が大分離れている。これには、第2次世界大戦中アウシュビッツ収容所のようなホロコーストにより、ユダヤ人を痛めつけたドイツ人のトラウマが依然として身体の中に沁みついていることが影響している。これについてドイツの国債安全保障問題研究所は、「イスラエルへの連帯は今後も示す必要があるのは明らかだが、ドイツが重視する国際法順守などの観点で『連帯の限界』が非常に重要な問題になってきている」と指摘している。敗戦後78年が経った現在、ドイツは今もホロコーストの亡霊に悩んでいる。今更ではあるが、民族殲滅のためのジェノサイドがいつまでも加害者を苦しめているのである。

 さて、10月14日、及び16日の本ブログに取り上げた前衆議院議長の細田博之議員が、昨日多臓器不全で死去された。享年79歳だった。やはりと言うべきだろうか、辞任の際の記者会見の場で歩行もふらふらして、言葉もはっきりせず、激職に耐えられるだろうか気になる印象ではあった。長い間の勤務にご苦労さまでしたと言ってあげるべきだろうが、あの場で次期衆院選に立候補すると強い意欲を示したのには、あの健康状態で、あの年齢でなおも国会議員の職に留まっていたかったのだろう。後味の悪さが残ったのは、随分メディアにも質問されながら、女性へのセクハラや、旧統一教会との強い関係については一切説明しないままだったことである。最早死人に口なしである。その死人に鞭打つ気はないが、代議士としてもっと毅然として言うべきは言って、出処進退を明確にしてもらいたかったと思う。

2023年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6024.2023年11月10日(金) ガザ攻撃、1日4時間の休戦とは?

 このところ連日に亘ってイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃の様子が、メディアを通して伝えられている。荒れ果てた瓦礫の中を逃げ惑う子ども連れの家族の様子などは、とても見るに忍びない。あまりにも非人道的な住民への攻撃に対して、世界中からイスラエル及びハマスに対して厳しい非難の声が浴びせられている。国連はグテーレス事務総長が非人道的な攻撃に対して口頭で非難する以外に、これという有効な手を打てない。イスラエルのあまりにも容赦ない攻撃に対して、流石にアメリカも同国へ停戦を求めているが、ネタニヤフ・イスラエル首相は、停戦を受け入れる気持ちは毛頭ないようだ。

 そんな時に今朝になってビッグ・ニュースが入って来た。アメリカのホワイトハウスが、ガザ地区へ地上侵攻を続けているイスラエル軍が人道目的のために1日に4時間に限って戦闘を休止すると発表したのである。そして、その戦闘休止は実施の3時間前に発表される。これまで休戦とあれば、普通は日数による期間を決めていたものだ。それが今回は1日4時間などと時間を区切り、それ以外は戦闘は連日続くという中途半端な休戦には、呆気にとられる。まるで戦争ごっこである。この4時間の間に避難させるという主旨のようだが、一種の「取り敢えず休戦状態」にする世論操作のような気がしている。アメリカがイスラエルと協議した結果、一時的休戦は現地ガザ地区北部で9日から実施されることに決まったそうだが、アメリカもよくぞこんな中途半端な休戦に納得したものである。イスラエル軍は、ガザ地区内のハマス地下都市にある数百mに及ぶ地下トンネルを大分破壊したこともあり、一定の成果は上げたものとして、支援国アメリカの声を聞き入れ一時的に攻撃の手を緩めることにした。

 アメリカからの強い要請があったが、イスラエルとしては自発的に一時的休戦を行うものではなく、当分の間渋々要請を受け入れて休戦の期間についてはアメリカも知らされていないようだ。基本的には戦闘行為は今後も続けられるということであり、まだまだ犠牲者が出てくる。ネタニヤフ首相とハマス両者には、今では戦闘行為を続けることに意地のようなものを感じる。

 ついては、このほどNPO紙「世界遺産物語」に「負の世界文化遺産・アウシュビッツ」と題してアウシュビッツ収容所について拙稿を書いたが、実はこの収容所内を見学した際に、ナチスによって否応なく地獄に突き落とされたユダヤ人の怨念のようなものを感じたものである。今朝の「天声人語」に次のような言葉が紹介されていたのを見て、何となく納得がいった。そこには次のように書かれていた。

 「ぞっとするようなホロコーストからくむべき教訓は、私たちも犠牲になりかねないということではなく、私たちも加害者になりうるという自覚だ」

 今パレスチナ・ガザ地区で行われているイスラエルによる激しい攻撃は、ホロコーストによって地獄を味あうことになったユダヤ人による執拗な逆恨みであるように思えてならない。決してあってはいけないことである。まぎれもなくホロコーストによる被害者のユダヤ人が、今度は加害者に成り代わったおぞましい姿であると思う。

2023年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6023.2023年11月9日(木) 自民党が決定した減税論の矛盾と対立

 岸田文雄内閣の支持率がじりじりと下がって、首相も前のめりの人気取り政策を生み出すことにばかり気を取られ、少々ガードが甘いようだ。首相が適材適所と胸を張った政府3役の内、先日山田太郎・文科政務官、柿沢未途・法務副大臣がスキャンダルで辞めて間もないが、また神田憲次・財務副大臣の税金滞納問題が週刊誌に暴露され、野党からは辞任を求められたが、本人は反省しつつも職務の遂行に全力を尽くすと辞める気は毛頭ないようだ。卑しくも国の財政を扱う部門の副大臣で、税理士でもあろうものが、長らく税金を払わなかったなんて冗談としか思えない。愚かにも本人は誤魔化せると思っていたのだろう。これで、岸田政権は益々窮地に追い込まれることになる。

 この財務副大臣の不祥事に呆れていたところだが、他にも鈴木俊一財務大臣に首を傾げるような発言が公になり物議を醸している。問題になったのは、昨日衆院財務金融委員会の質疑応答の場で、鈴木財務相が応えた内容である。前々から岸田首相が「税収増の国民への還元策」として打ち出した所得減税について、鈴木財務相は、「過去2年間で増えた分は、政策経費や国債の償還などですでに使っている。減税するなら国債の発行をしなければならない」と原資はないと皮肉か、本音か分からないようなことを暴露した。それが真実なら首相が人気対策として言い出した、所得減税なんて最初からあり得ない話だということになる。閣内の意見の不一致も甚だしいが、これに振り回されている国民や経済専門家たちも「ふざけんな!」と言いたいに違いない。流石にこれには事実を知った国民の一部からSNSなどで「財務省からも見放されたぜ どうすんだ岸田や!」とか、岸田首相がハシゴを外されたとの声が上がっている。

 それにしても、首相と財務相の意見がまったく真逆であることを、なぜ今頃になって財務相はぶち明けたのだろうか。こうなると政権も末期症状である。元々この鈴木俊一大臣は、鈴木善幸首相の子息であり、姉の夫は麻生太郎自民党副総裁であり、典型的な政治家一家の二世であり、親族と派閥の力によって現職に就いている印象が強い人である。日ごろから感じているのは、業務に精通しているのか疑問に感じていたところである。財務官僚の言いなりの言動をしていたのではないかと思っている。現今の円安市場について、すべて監視、対策を日銀、或いは財務省に任せっきりで、財政のトップとしての毅然とした行動や矜持が見られない。

 そして、閣僚の一員である自らが内閣不一致のお粗末さを外部にさらけ出すとは、情けないし、一国民としても国家財政を任せることは不安で早晩交代させて、それこそもっと適材適所の閣僚を任命して欲しい。

 このところ岸田内閣は、あちこちでボロが出ている。前記以外にも財務関係では、1人4万円の所得減税について、宮沢洋一・自民党税制調査会長は首相と同じく減税の期間を当然1年内と考えているが、萩生田光一・同党政調会長は「1年限りと決定しているわけではない」と述べるなど、自民党内の幹部の間でも考えの不一致が際立っている。党内が結束して、行動して総選挙に打って出るべき時に、党内が大事な問題で支離滅裂ではとても戦えないのではないか。案の定これでは年内に解散とも言われたが、とても総選挙では戦えないと悟ったか、解散は来年以降に持ち越しと言明した。何とも夢遊病者になったような岸田政権のふらつき状態である。

2023年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6022.2023年11月8日(水) セルビアの郵便ストと旧統一教会解散命令

 3週間前にセルビアの友人に月刊誌を送ったところ、受け取ったとの連絡がなかったので、少々気になり2週間が経過した先週友人にメールで尋ねたらまだ受領していないと返事が返って来た。そこで郵送した郵便局へ出かけて聞いてみたところ、セルビアは直行便がないのでやや遅れがちになるので、もう少し待って欲しいということだった。その時、届いたかどうかの確認は取れないのかと尋ねたら書留ではないので、追跡番号がないから難しいとの回答だった。友人もベオグラードの郵便局に尋ねたところ、該当の郵便は届いていないと知らされたという。こうなると何とか届いて欲しいと願うものだ。それから1週間語の昨日友人に再びメールで照会したところ、彼も郵便局へ行ってみたが、届いておらず10月4日付の奥さん宛ての手紙が届いていたくらい郵便が遅れていると伝えてくれた。まだ可能性はあるようだ。セルビアでは低賃金と過剰勤務でやっとストが解消したばかりで、郵便局に務める人がいなくなるのではないかと懸念していた。もう少し様子を見るより仕方がない。書留でないので、送った証拠としては領収書だけだが、もし届かないと雑誌代と郵送料がまったく無駄になってしまう。特に、今回の雑誌代金は1,000円だったが、郵送料は遥かに高い1,560円もした。追求する手段がないので、理不尽とは思いつつも諦めるより仕方がない。だが、郵送料が無駄になってしまうことが何ともシャクだし、どうもすっきりしない。時々海外へ郵便物を送ることはあるが、ほとんど書留便にしたことはない。これからは費用がかかっても送り届けたい品物は、書留便にすることを考えなければいけないと反省しながらも悩みどころである。

 さて、昨年安倍晋三元首相が若者によって銃砲で殺害された原因は、容疑者の母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)にのめり込み、資産を注ぎ込み家庭を破壊してしまったことにあるようだが、安倍元首相が旧統一教会と強いつながりを持っていたことを知り、安倍氏を恨んでいたと容疑者が告白した。この事件発生以後教団に多額の献金をして家庭、家族が大きな被害を受けたと申し出た人々が続々と名乗りを上げた。挙句に教団は、本来の宗教活動を逸脱していると判断され、遂に文部科学省は、先月13日教団に対して解散命令を東京地裁に請求した。その理由として法令違反が約1,550人、解決金の総額が約220億円もあったそうである。

 この事案に対して先日教団は、唐突に「供託金」として政府に100億円を拠出する考えを表明した。そして、昨日教会の田中富広会長が当事案に関連して記者会見で、その意図を説明した。教会はトラブルが明るみに出た内容について、謝罪し反省の言葉を述べた。しかし、心から詫びたわけではなく法的な責任は認めることなく、解散命令請求について到底受け入れがたいと述べ、不満を露わにした。一方、この提案に対して弁護士を始めとする関係者らは、教団側の「供託金」を実現するには、立法措置が必要とされるが、政府がそれを推進する気持ちはなく、教団側が解散命令を避けようとする「情状酌量戦略」ではないかと見ている。気がかりなのは、教団への解散命令によって財団が所有財産を隠匿したり、海外へ移転させたりすることである。教団は否定しているが、「供託金百億円」の意図は透けて見えるようだ。どうもすっきりしない昨日の会長記者会見であるが、決して教団の逃げ得を許してはならない。広く国民の監視が必要ではないだろうか。

2023年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6021.2023年11月7日(火) 人類は戦争も、地球沸騰も解決できないのか?

 先月7日にパレスチナ・ガザ地区からイスラエル領内に突然ロケット砲が撃ち込まれ、多くの犠牲者を出し、その仕返しで始まったイスラエルとイスラム組織ハマス間の激しい攻防は、今日でちょうど1か月が経過した。今その戦闘は激しさを増し、連日イスラエル軍によるガザ地区への空爆が続き、この数日前から陸上からも攻撃を加えて世界中の注目と関心を集めている。そのせいもありこれまでウクライナに対するロシア軍の侵攻もここへ来て影が薄くなり、ウクライナにとって欧米からの支援も今までのようには期待出来なくなってきたのではないかとウクライナは憂慮している。一方でロシア・サイドはほくそ笑んでいるのではないだろうか。

 今度の双方の戦闘ぶりを見てみると、イスラエル軍の徹底的に相手を壊滅させるとの激しい攻撃には他の戦争には見られない執念のようなものを感じる。ハマスはテロ組織であり、同じパレスチナ暫定自治政府とは言え一線を画している。イスラエルのハマス壊滅作戦は、憎悪の塊となり一般市民が犠牲になろうとも手段を選ばず攻撃する怨念のようなものである。支援する欧米側にも戸惑いが感じられる。イスラエルのユダヤ人社会は、ドイツを始めEU側にはナチス・ドイツによるアウシュビッツ収容所のホロコーストという苦い歴史を想い出させ、それがトラウマとなり、どことなくイスラエル批判に遠慮がちになることであり、全般的にイスラエルに対して強い制約を加える動きが感じられない。更にイスラエル建国史上イギリスやフランスが行ったユダヤ人とパレスチナ人それぞれに約束した国家建設の二枚舌、或いは三枚舌外交が、大きなくびきとなり、今も西欧にとってはストレスになっている。一般市民だろうとテロリストだろうと殲滅させるとのイスラエルの排他的な強硬論は、ホロコーストの仕返しであろう。それは今も現代のイスラエル人に引き継がれ、その勇み足はイスラエル政府閣僚が、原爆投下も選択肢の一つだとの暴論を述べるほどエスカレートし、この過激発言については、人質や行方不明者の家族が無謀で残酷だと非難し、流石にネタニヤフ首相も当該閣僚の閣議への出席を当分凍結すると語ったほどである。怖いのは、その発言が本音から出た言葉であることである。

 今上記のような事情から欧米諸国は、自らの発言に神経質なほど気を遣っている。ガザ地区の住民に同情しつつ、ハマスに支援する気持ちはなく、イスラエル政府を支援したい。されどイスラエル軍のガザ地区の一般市民や難民とハマスを問わない激しい徹底的空爆作戦には、反対せざるを得ず、イスラエルとガザの谷間で右往左往している状況である。

 一時停戦、或いは休戦の提案が国連で提案されたが、いずれも否認され、国連の機能も充分果しえず、毎日死者が増え続ける一方である。今仮に休戦になったとしても多数の犠牲者を出したことについて、多くの反省と補償問題が生じることだろう。アメリカは来年行われる大統領選挙で、頭がいっぱいのようである。世界のどこにもこの地域戦争を止めさせる人物はいない。混乱の世の始まりであり、末法の世の出現である。このまま当分の間決着がつかないことだろう。一刻も早く停戦が実現することを、エルサレムを聖地とするキリストとアラーの神に願うばかりである。

 ついては、今日も暑かった。関東一帯が夏日となり、この11月になって東京都と千葉市では11月としては過去最高の27.5℃を記録し、小田原市では28.1℃、甲府市は28.4℃、いずれも過去最も高温の1日となった。暦のうえでは、明日8日は二十四節気の「立冬」である。立冬1日前が夏日とは、地球温暖化はいよいよ止まる気配がないようだ。

2023年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6020.2023年11月6日(月) イギリスで粋な飲み屋・パブが激減

 イギリスへ行くと必ずといってもいいくらい、夕方には大衆酒場のパブへ立ち寄っていたものだ。雰囲気も好いし、安全で、単なる飲み屋ではなく、文化の寄り集まるところと言った感じである。文化遺産とも言われるくらいイギリス人に愛されて来た。まだ現役中に旧文部省の教員海外派遣団のお世話をしていた当時、毎年1~2度はイギリスへお供したものである。ヨーロッパでは、ホテル内の朝食以外は昼・夕食はいつも自由だったので、慣れない先生方をお連れして度々パブに入ったことがある。居心地が良かったことを覚えている。

 コロナ渦が拡大した最中にスキャンダルで名を馳せたジョンソン元首相が、パブでパーティを開いて物議を醸したこともある。パブでは食事も提供してくれるので、手軽に利用できる。それはロンドンばかりではなく、地方都市にも多くのパブがあるので、便利である。

 ところが、月刊誌「選択」11月号に掲載された「『英国パブ』絶滅の一本道」を読んで少なからずショックを受けた。それによると今イギリスではパブの数が大分減っているという。一説には、2000年にはイギリス中で6万店以上あったパブが、20年後の2020年には、何と4万店以下に減少したというからパブ好き、酒好きには耐えがたいのではないだろうか。パブ減少の理由は、イギリス人が外ではなく、家で飲む人が増えたということと、近年若者があまりパブに寄り付かなくなって客足が伸びていないイギリス人の生活慣習の変化が挙げられている。

 しかし、パブが閉店、廃業する裏には、こういう表面的な事情だけではなく、実は、大手の金融会社と不動産会社が関わっていることが指摘されている。そもそもパブは人通りの多い賑やかな場所に店舗を構えている例が多い。不動産物件としてパブのある土地をごっそり買い上げて地価高騰を待っているのだという。例えば、タイムズ紙はアメリカの大手投資会社のモルガン・スタンレー社が、パブ経営大手のストーンゲート・グループからパブ1千店の買収計画があるとつい最近報じたばかりである。その買い取られたパブはどうなるのかというと、その地区の一等地にあり、ロンドンなどでは高級マンションに変身する。しかもかなりの高値で、あっという間にマンションは売れるという。こうして文化的名残のあった落ち着いた飲み屋パブが、姿を消し、跡地に高級マンションが建つ。国の経済としては、特に失うものはないが、ちょっと息抜きに通う伝統ある飲み屋がなくなり、リッチな階層が居住する高級マンションが増えることに一抹の悲哀がある。

 実は、昨日コロナ・ワクチン接種の帰途、自由が丘駅周辺のレストランで妻とランチをいただいていたが、車も通らないような狭い道路を隔てた向こう側に、日本蕎麦店、北海道蕎麦店、バー、イタリアンレストランなどがびっしり並んでいた。いずれも店の外まで行列が出来るものだったが、何となくロンドンのパブを想い出した。あのレストラン街が高級マンションに変貌したら、どういうことになるだろうか。

2023年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6019.2023年11月5日(日) 阪神38年ぶりの日本一と、暑さで消える日本の文化

 プロ野球日本シリーズでセ・リーグを制した阪神タイガースが、連覇を目指すパ・リーグの覇者オリックス・バッファローズを7-1で破り、4勝3敗で実に38年ぶり、2度目の日本一の座に就いた。今年は3月に開催したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が優勝して、野球景気を盛り上げ、その延長線上で夏の甲子園高校野球も慶応高校が107年ぶりというドラマチックな優勝を遂げた。

 38年より遥かに遡って今年は関東大震災からちょうど100年という節目の年でもある。自然災害からの防止・防災が随分話題になり、警告もなされた。ところで、同じ100年記念でも何となく微笑みがこぼれてくる話題がある。それは先日渋谷のハロウィーンで、周囲を板塀で囲まれ姿を隠していた「忠犬ハチ公像」である。ハロウィーンの翌日には、板塀は取り払われ、懐かしいハチ公が姿を現してその写真を撮ろうと思っていた外国人ら観光客が待ち構えていた。何とあのハチ公像が建設されてから今月でちょうど100年になるという。

 ハチ公と言えば、今は亡くなった両親は2人とも東京生まれの江戸っ子だったから、若かったころに渋谷に立ち寄ると飼い主のご主人を待って駅前に大人しく座って待っていたハチ公を何度も見たと言っていた。私には、待合場所と言われているあの周辺で人と待ち合わせをしたこともないので、格別ハチ公に対して親しみとか、愛情を感じるようなことはないが、昔に比べて、傍を通ると確かに外人を含む多くの人びとがハチ公像と一緒にカメラに収まっている光景を見るにつけ、いつの間にかここも話題の観光スポットになったのだろうか。

 さて、秋冷の候である11月に入ったにも関わらず、このところ日中の気温が平年に比べて暑く、今夏の暑さの延長ではないかとの声が聞かれる。

 東京都内の11月の平均気温は、記録に残っている1875(明治8)年以来20℃を超えたことはなかった。それが地球温暖化の影響もあり年々気温が上がり、2016年の15.5℃以降上昇傾向が続き、昨年はついに20℃一歩手前の19.1℃を記録した。そして今月に入り昨日は、26.3℃という11月としては記録にない夏日となってしまった。昨日まで4日間の11月平均気温は、夏日手前の24.7℃に達した。そして今日はやゝ下がったとは言え、23.7℃である。これには街行く人の感想では、出かける時の服装が難しいと話していた。秋の服装か、夏の軽装か迷うところのようだ。

 いずれ一般的な今年の陽気などについては、専門家筋から公表されると思うが、今では地球規模的に暑さが蔓延し、夏が長くなり、南極の氷も解け始め、グテーレス国連事務総長の言葉を借りれば、「地球沸騰化」現象とまで言われている。「地球沸騰化」という言葉については、今年の流行語大賞候補にノミネートされているほどである。古来日本には春夏秋冬4つの季節があり、それぞれにその季節の味わいが文化や風習面に表れていた。今の状態が持続され、暑さが加わってくると冬の鍋料理などは姿を消し、春秋の風情が見られなくなり俳句などもなくなってしまう恐れがある。

 例えば、秋を表す「秋深き 隣は何を する人ぞ」、「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」(いずれも芭蕉作)や、有名な持統天皇の春を詠った「春過ぎて 夏来きたるらし 白妙の 衣干したり 天の香具山」や、「菜の花や 月は東に 日は西に」(蕪村作)の季節感を伝えた日本の俳句、和歌の特異な詩情が伝わらなくなる。暑さが情緒を奪うということだろうか。

 厚生労働省が今年5月から新型コロナウィルスの感染状況を、定点観測値として公表するようになってから、メディアではほとんど感染状況を報道しなくなったが、確かに感染者数は減少しているが、完全に消えたわけではない。日本各地でコロナが流行していた数年前から昨年までは、伝統行事も自粛していた。それが、最近では各地で再び行われるようになって、地元では景気づけになると積極的に行事を再開している。実は、今日妻ともどもコロナの7回目のワクチン注射を受けてきた。2021年5月に初めて接種して以来7回もワクチン接種をしたことに自分でも驚いている。普段外出の際は、今以てマスクを着用しているが、電車やバス車内では最近はマスクをしている人が少ない。厚労省も、メディアもワクチンを無料接種している以上はもう少し、コロナ感染について警戒を啓発すべきではないだろうか。

2023年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com