結果が出た。昨日の都議選では「都民ファーストの会」の圧勝、自民党の大惨敗だった。予兆はあったが、これほどの大差になるとは思いも寄らなかった。「都民ファーストの会」は、一時の小池ブームが豊洲市場決定に至るプロセスに不審感を持たれたこともあり、やや影が薄れた感じだったが、自民党本部にいくつか大きな失点があり、反自民票に加えて浮動票も集めて完勝した。
多くの評論家や政治学者は、敗因の根っこは安倍一強による安倍首相自身の驕りとそれを黙って見ている取り巻きにあるとコメントしている。政治家一家に育ち、我儘に育て上げられ、一度は首相として失敗しながらも何とかそれを教訓として活かし、野党が力を衰えていく過程で2度目のチャンスに1回目失敗の反省を活かして選挙で連勝し、それが党内で安倍首相への求心力を高め、力を養っていくことになった。
だが、最近の首相周辺のスキャンダルに対して、首相自身が説明責任を果たさず、閣僚や取り巻きの疑念を呼ぶ言動に対しても確たる指示を出すわけでもなく、庇い続けている始末である。これを批判するメディアに対して、一部の自民党幹部からは逆にメディアの悪口を言って憂さ晴らしをしている有様である。
「都民ファーストの会」は6議席から49議席へ伸ばし、公明党を含む小池支持勢力を合せると79議席となり、全127議席の過半数を優に凌駕している。一方の自民党は、57議席から23議席まで落とし、過去最低の38議席から更に深い谷底まで落ちてしまった。昨年小池知事の知事選当選直後に嫌がらせを行った川井重勇・都議会議長、高木啓・自民党都連幹事長らも、揃って定数削減の影響を受けて次点で落選した。かつては、東京は自民党票が少なく、与党自民党も東京都民に気を遣っていたものだが、今では自民党都議の割合がほぼ過半数にまで増えていたとは、眠れる首都を表している。今漸く本来のリベラル東京に戻ったような気がする。それも毎度投票率が低下しつつあったからであるが、幸い今回は前回より若干上がって51.28%になったが、まだまだ低い。せめて60%台に届かないようでは、本当の表現の自由によって選出された議員とは言えないような気がしている。
これから小池都政にとっては反対勢力のボスのような存在がいなくなるが、やるべき課題は多い。今回の選挙では敵失による失点に助けられた一面が多い。これからは「都民フォーストの会」が知事を助ける形で実行可能な政策立案に知恵を絞り、それを堅実に実施することが大切である。併せて、安倍政権に対しても驕りを止め、外からの意見を謙虚に聞く耳を持ち、法律違反を犯すような閣僚は毅然として止めさせるくらいの気持ちでいないと「反安倍」の声は、いずれかつての60年安保闘争時代の祖父岸信介首相に対する「岸を倒せ!」のシュプレヒコールが、平成元禄には「安倍を倒せ!」に変わりかねない。
さて、今やや体調を崩しているが、一昨日の採血結果を知りたくて森内科へ出かけた。やや憩室炎の傾向が診られるが、このまま食事療法を続けることと静かに生活するようアドバイスを受けた。その根拠はいくつかある。白血球数が基準値(3300~9000)より高く9300、赤血球数が426で基準値(430~570)より低く、ヘモグロビンも13で基準値(13.5~17.5)より低い。一番気になったのはCRPが2.43と高かったからだ。これはいつも標準値0.3以下を目標に2種の薬をずっと服用し続けているが、このところ0.4ぐらいで0.3以下に中々下がらない。それが2.43とはショックである。ただ、昨年憩室炎と診断された時は、11まで上がったのでぶったまげたものだった。それを考えれば、今日は憩室炎可能性がありやなしやの段階なので、このまま静かに収まってくれることを願っている。