3738.2017年8月7日(月) 権力志向の強い人とやる気のない人

 安倍首相が改造内閣人事の発表に当り、新内閣を「仕事人内閣」と自信たっぷりに語ったが、その20人の閣僚のうち初入閣した江崎鉄磨・沖縄北方担当相が、北方領土問題については素人であると担当大臣らしからぬ謙虚?な発言をしたり、「国会では役所の答弁書を朗読する」と恥ずかしげもなく述べて、官房長官に注意され陳謝した。そもそもこの大臣は大臣職によほど自信がないのか、当初大臣要請を断っている。それを派閥の親分である二階幹事長に怒られ、説得されて大臣受諾を決意した変わり者であり、国民から見ればふざけているし、担当する旧北方領土住民のみならず、沖縄県民をも愚弄するものである。大臣心待ち組があまた控える中で、折角の大臣任命を固辞するとは、「俺が俺が」の国会議員の中では極めて珍しい御仁である。

 しかし、こんな仕事に自信を持てない議員を仕事人として大臣に登用する安倍首相が、任命責任を問われる事態に追い込まれることはないのだろうか。もっと意欲も向上心もある議員を大臣に選んで欲しいと思う。

 それに引き換え、今月下旬知事選が行われる茨城県では、現在6期目の橋本昌知事が7度目の出馬へ意欲を示している。橋本知事は元自治省官僚で、当選すれば、単独で全国最多の7選知事になる。流石に推薦母体の自民党県連も5選目には、対立候補を擁立して保守分裂選挙が行われたが、6選目の時には対立候補を立てなかった。だが、今度の7選目では元経産省官僚を対立候補として擁立させる。県民もそろそろ嫌気がさしたのか、投票率が極めて低い。直近の選挙では、総選挙と同日だったため、それほど低くはなかったが、2001年の知事選では、30%を割っている。権力志向の強い現職茨城県知事に比べて、江崎新大臣の何と無欲?なことよ。

 全国で最も知名度の低い県という芳しくないイメージを引きずってきた茨城県としては、幸いNHK朝のドラマ「ひょっこ」により、今人気が盛り上がってきたところだが、来る知事選の結果、「変わらない」「旧態依然」の県というマイナス・イメージを払拭出来るだろうか。

 同じく地方自治体の話題だが、青森県は相反する現実の数字とその評価に苦闘している。そのひとつは、青森県の平均寿命が全国最下位であることである。青森県民は、喫煙、飲酒、肥満など生活習慣関連の指標が軒並み全国ワースト・クラスのうえに、雪が多いので運動せず、頑固者が多く健康診断を受けず、病気になっても病院に行かないとの不名誉を返上すべく県内各地で改善へ取り組み始めた。

 その一方で、働くママが全国で一番多いのが青森県だという国勢調査に基づいた好ましい数値がある。それは労働力率をみると、例えば青森県の女性は25歳で85%だったものがその後は低下しても80%を底辺に再び上昇する。それを「M字カーブ」と呼ぶらしいが、青森県は子育て期に落ち込む「M字カーブ」が最少だった。その落差が約5%で全国平均の13%を大きく下回る。これは、3世帯同居が多いことや、待機児童が6年連続でゼロという主婦へのバックアップ体制が整っていることが大きい。

 いずれにせよ地方都市・県も悩みを抱えながらそれぞれ工夫して前向きな努力を積んでいるのだ。因みに青森県知事の多選は、最高で連続4期までである。

2017年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com