3633.2017年4月24日(月) フランス大統領選挙は決選投票へ

 北朝鮮が、朝鮮人民軍創建85周年に当たる明日の建軍節に合せてミサイル発射、或いは核実験を行うのではないかと懸念され、その可能性と危険性がいろいろな視点から論評されている。特に、北朝鮮の高官は先制攻撃が始まれば、日本が最初にその火の粉を被り、アメリカ本土へも着弾するとの発言がいやがうえにも日本国内で危機感を煽っている。内閣府のホームページにミサイル着弾の場合の防護項目へのアクセス数が急に増えたとも伝えられる。

 果たして北朝鮮からミサイルは発射されるのだろうか。アメリカ原子力空母「カール・ビンソン」打撃群が、フィリピン沖合を北上中で近い内に海上自衛隊のイージス艦「あしがら」、護衛艦「さみだれ」と合同訓練を行って日本海へ達するとの情報が伝えられている。これまでにない緊張感が日本中を漂っている。かつての臨界状態は、その直前で停められたし、アメリカのイラク攻撃時のようにイラクに反撃する機会や反撃手段はなかったが、今度ばかりは北朝鮮に米軍から攻撃されれば反撃の機会があるということが、必要以上に不安を煽り、危機感を高めている。

 強気一辺倒の北朝鮮には、どこまで戦争に勝てる確信があるのか、本気でアメリカ連合軍を粉砕出来ると考えているのだろうか。国家滅亡と国民に莫大な犠牲を強いる強気の対応、そしてそれらの情報を国民にまったく伝えず、かつての大日本帝国陸軍同様の「討ちてし止まん」の気持ちだけを、国際社会にぶつけているように思えてならない。北朝鮮は、哀れにも血迷った滅亡的指導者・金正恩一派の我利我欲と愚かな国家戦略により国家・国民を破滅に導こうとしている。

 流石に中国もこの期に及んでアメリカに対して極力自重することを促している。出来れば、こんなことは夢か幻であって欲しい。1962年のキューバ危機以来の世界を震撼させるような危機が到来するかも知れない。

 さて、昨日行われたフランス大統領選挙の結果は、11名が立候補したが、予想通り過半数を得た候補者が表れず、来月7日に獲得投票1位のマニュエル・マクロン氏と第2位のマリーヌ・ルペン氏の決戦投票が行われることになった。与党で左派の社会党、最大野党で中道右派の共和党からはどの候補者も決戦に勝ち残れなかった。マクロン氏は親EU派で前経済相であるが、まだ39歳にも拘わらず23.86%の支持を獲得した。

 フランスの大統領最有力候補に39歳の若手がのし上がってきたことに、文化大革命当時中国共産党大会で颯爽と躍り出て来た四人組のひとり、38歳の王洪文を思い出す。年齢的にもあまり変わらない若手の出現に驚いたものである(王は私より2歳年長であるが、当初私と同年齢と報道された)。あの共産国家中国にして若手の登用は刺激的ニュースだった。いずれ中国は発展するだろうと思った。不幸にして彼は間もなく反党集団の一員として捕らえられ刑に服し失脚した。それ以降中国で新進気鋭の若手が檜舞台に登場することはなくなった。

 他方第2位のルペン氏は父親が創立した極右政党・国民党首の地位を父から奪い虎視眈々と飛躍のチャンスを狙っていた。今ではEU離脱と移民排斥を訴えフランス第一主義を提唱している。彼女は21.43%を獲得したが、決選投票では他の候補者がマクロン氏支持に回るものと見られやや劣勢である。すでに決選投票の予想ではマクロン氏62%、ルペン氏38%という数字が発表され、圧倒的な差がついている。

 それでもマクロン氏の首位はヨーロッパ経済に希望を持たせたのか、各国株式市場には期待感が盛り込まれ、フランスでは4%、ドイツでも3%も株価が上昇した。日本でも対先週末で日経平均株価が255円も値上がりした。

 朝鮮半島がやや不気味な空気を漂わせている中で、あれほど大騒ぎして朴槿恵大統領を追い詰め辞めさせて、新大統領選出に大きな期待が持たれている韓国大統領選も今ではすっかり影が薄くなった。フランス大統領選決選投票の2日後に行われる韓国大統領選は、現在世界からあまり注目されていない。

 ところでいやぁ驚いた。中学3年生でプロ棋士の藤井総太4段が、羽生善治三冠に勝ち13連勝を飾った。これほどの天才的資質を持っている少年は、他の分野にも見当たらないと思う。将棋はやらないので、その凄さの度合いはよく分からないが、これまで歴戦練磨の棋士に勝ってきた点でも、天才の域を超えているのではないだろうか。

 とにかく将棋界にドえらい天才少年が現れたものである。

2017年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com