桜は今が満開で、近くの宮前公園も華やかに咲き誇っている風景が部屋からよく見える。だが、生憎雨模様で一部地域では積雪情報が流されるほど寒い。今朝7時に渋谷が6.8℃だったというから陽春の候、4月としては珍しい冷え込みだ。その雨の中を大学時代の友人と会うため銀座へ出かけたが、かなり寒かった。通行人はほとんど冬支度で寒そうに歩いていたが、突然強風に襲われ被っていた帽子が飛ばされ雨に濡れながら帽子を追いかけるみっともない姿を晒してしまった。
さて、国立社会保障・人口問題研究所が50年後までの将来推定人口を公表した。それによると2065年の日本の人口は8808万人にまで減少するという。安倍政権が50年後に人口1億人を目指すとしているが、かなり高いハードルである。かねてより晩婚、未婚、出産数の減少などによる人口減少の一方、平均寿命が延びた高齢化現象により、医療と年金制度が行き詰りつつある。平均年齢に至っては、今では男80.75歳、女86.98歳にまで伸びた。これが2065年には、更に伸びて男84.95歳、女91.35歳になるというから医療と年金問題の悩みは想像がつく。それにしても人口が1億人超だったが、8千万人に減少するとは、60年以上も前の高校時代に逆戻りである。当時は人口が8千万人で、国民に必要な米が8千万石に対して収穫量が6千万石で、その不足分を東南アジア産の外米で賄っていた。
その主食の米不足のため、どこまで本気だったか分からないが、一部では密かに人口減少策まで考えられていたという話がある。ある時社会科の授業で人口減少のための対策を考えなさいと言われて、満員電車を川へ転落させるなどと馬鹿げたことを話して、教師からこっぴどく怒られたことを思い出す。あれから日本の人口は増え続け、それが国のエネルギーとなり経済発展をもたらした。必要な人口こそが国家発展の要である。思い返すと人口問題には思い出がいっぱいある。人口が少なくては国のエネルギー源である活力が生まれない。それが今では深刻な課題を抱えている。全体的な人口減少の反面、前記の通り高齢者が増えたことによって社会保障費が大幅に増加したことである。これは国家財政にとってもゆるがせに出来ない問題である。
そこへ昨夕の新聞によると、財務省は国際収支統計上経常黒字が32カ月連続と発表した。今年2月の黒字は過去最大となった。この歓迎すべき実績は、間違いなく国庫を潤している筈である。だが、実態は国の一般会計予算では毎年赤字予算を組んで国家の借金は溜まる一方である。折角貿易などで稼いだ黒字を有効に活用していない。抜本的な財政立て直しはおざなりだし、真剣に国家財政のいびつを修正すべく努力が見られないのは、やはり国家について真剣に考えていない政治家の責任であると思う。