先月3日の本ブログに、南米のコロンビアで長年続いていた内戦について書き込んだ。内戦終結を目指していたサントス大統領側と左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)との間で、和平協定に署名されたが、その後行われた国民投票で僅差ながら和平案反対票が上回った。このため折角まとまった内戦終結の行方が分からなくなった。
それでも和平に努力を傾けているとして、今年のノーベル平和賞受賞者にサントス大統領か決まった。そこには、一層和平に努力して実現してほしいとのサントス大統領への希望と期待があった。大統領は和平案を部分的に修正して改めてFARC側と交渉して和平案を再びまとめた。この修正案を果たして国民がどう評価するだろうか。コロンビアの和平案が今度こそ認められるよう期待したい。
さて、「しんぶん赤旗」11月27日付日曜版から目についた2つの記事を紹介しておきたい。ひとつは、JR東海が計画中のリニア中央新幹線建設をめぐり、環境破壊と採算性の問題から反対の声が浮上している。特に採算面で、9兆円強の総工費に国が何と3兆円も補助する話が持ち上がっていることだ。これではまるでJRが旧国鉄に舞い戻るような話ではないか。旧国鉄時代に国有(国営)鉄道という観点から採算を無視して甘い経営をした結果、大赤字を出して倒産し、民間の株式会社として再出発して出直したばかりではないか。今発展途上に復活して来たとは言え、3兆円なんて大金を一民間企業のために投資するなんてことは、断じてあってはならないことだと思う。リニアモーターカー試験コースはすでに完成して私自身何度か山梨の試験区間で試乗させてもらった。確かに速く乗り心地は満点である。だが、東海道新幹線が順調に運行されている中で、多額の投資をして敢えて東京から名古屋まで新線を敷設する必要があるのか疑問だ。その点共産党の指摘は的を射ている。
もうひとつは、政務活動費の不正受給問題がこじれて、市議が辞任して市議補選を行った富山市についてである。リベラルと言われた社民党が凋落して久しいが、孤軍奮闘しているのが共産党である。富山県は自民党党員比率が全国最高であるが、その富山県で異変が起きている。言うまでもなく、自民党員富山市議の不正が、後から後へと明るみに出たために、自民党人気が下降線を辿っている。今月6日に行われた富山市議補選で、自民党は28議席から23議席へ後退し、逆に共産党市議は2人から4人に増えた。もっと深刻なのは、得票率でも、自民は前回の67.7%から32.6%へほぼ半減し、共産党は4.7%から10.5%にまで伸長したことである。これは、自民党員のやった不正が、市民からそっぽを向かれたということであるが、気を許したり法律的に反することを行うと厳しく指弾されるということである。1地方都市の出来事と捉えず、常に謙虚に正しいことを行わなければいけないという当然のことを教えてくれる。