3474.2016年11月16日(水) 自衛隊の駆けつけ警護、いよいよ任務発動か。

 難しい判断を陸上自衛隊の海外派遣部隊に任務として付与することを、昨日政府は閣議で決定した。その任務とは、南スーダンに国連平和維持活動(PKO)で派遣されている自衛隊が、国連司令部の要請などを受けたら、武装勢力に襲われた国連職員らを助けに向かう駆け付け警護という任務である。あくまでこちらから武装勢力に攻撃を仕掛けることはせず、攻められた場合どう判断するかということが問われている。政府は先日稲田朋美防衛相を南スーダンの首都ジュバに派遣し、大臣は数時間滞在しただけで同地は安全と判断したばかりである。

 問題は、どこまでが安全で、どこから危険かという判断が簡単にはできないことである。元自衛官も判断の難しさを語り、ことの重大さを指摘している。それが現場を知らない稲田大臣や自民党議員は危険が予想されるにも拘らず、無理やり安全と決めつけて昨年成立した安全保障関連法案に乗せて、駆けつけ警護を運用する準備を始めることにした。自衛隊員家族の間では不安の声が聞かれるし、自衛隊入隊希望者も減少しているという。

 どうして政府はこれほど反対意見が強く、安全性が確保されていない駆けつけ警護などという難しい任務を無理してまでも実施しようというのだろうか。

 さて、また子どものいじめで嫌な案件が表沙汰になり問題になっている。福島第一原発事故で福島県から横浜市内に自主避難した中学1年生が、転校直後からいじめを受けて不登校になったのである。その子の代理人弁護士が、その子の手記を公表したのである。そこにはいじめの様子が赤裸々に書かれていた。生徒は親が賠償金を得てお金がいっぱいあるだろうと友達から金銭まで要求されていた。生徒の両親から事情を打ち明けられた学校、市教委は、真剣に問題を捉えず、中途半端なところで投げ出してしまったような気がする。生徒は一時自死も考えたようだが、考え直し生きていくことに決めたという。一部始終を明かされ、家族側から追及された学校、市教委は対応の遅れを認め、謝罪しているが、どうしてこういう無責任で非教育的なことになったのだろうか。これでは教育とは言えないのではないだろうか。

 ひとつには、学校側が真剣に生徒の気持ちを慮ることをせず、好い加減に放り出してしまったことだと思う。もうひとつは、保護者らが生徒の親は賠償金をもらったと軽々しく考えていたことがはしなくも生徒たちの気持ちに反映されたのだろう。

 どうも家庭と学校の間に心の通い合いが足りない。これは本来子どもの世界の話ではなく、大人の世界にありがちの事件でうんざりである。せめて子どもの世界には絶対起きて欲しくないことである。

2016年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com