鎌倉の「湘南話し方友の会」例会で講演を依頼され、JR鎌倉駅前の「鎌倉生涯学習センター」で「高地チベットへの旅」と題して1時間半あまりお話をしてきた。この会では、2年前にもお話したことがある。自宅で入念にパワーポイントをチェックしたところ、普段使っているPCとの接続がうまくいかず、止むを得ず、お蔵入りで以前使用していたPCを持参した。会場ではPCの画面が消えて若干当惑したが、プロジェクターからスクリーンには映し出されていたので、話を進めるに当っては特段の支障はなかった。代表者が高校同級生の小山清くんなので、私からも他の同級生にも声をかけたせいもあり、永嶋喜一郎くん、山田勝久くん、轟貞雄くんが参加してくれた。轟くんなんか会社の帰りにわざわざ寄ってくれた。高校時代の友人が一声かけただけでも駆けつけてくれるのは、有難く嬉しいことである。
チベットは青海チベット鉄道開業以来、観光地として脚光を浴びつつあり、日本人旅行者の関心も高く利用者の数もうなぎ昇りである。しかし、昨年後半だけでも8人の日本人旅行者が死亡しており、そのほとんどが高齢者で、高地特有の高山病が直接の原因である。今日の受講生の中にも熱烈なまでにチベットへ行きたいと考えられている方がおられたが、高山病について警告に近い話をしたので、皆さんがどう受け取られたか。
旅行中の血圧と脈拍の数値変化表を、スライドとレジュメに載せて説明したので、かなり関心を持ってもらえたと思う。特に、海抜4,000m前後と5,000m地点の脈拍の亢進を示すグラフ変化は分かりやすく理解していただけたのではないかと勝手に想像している。脈拍数がチベット滞在中は平常値のほぼ2倍にまで上昇したことは、私自身も驚いたくらいなので、初めて知った人たちにとっては新鮮な驚きではないかと思う。
今日準備段階で感じたことだが、講演の機会が増えるに連れ、パワーポイントを使用するケースも増加しているが、しばらく時間が空くとついパワーポイントの起動が不安になる。情けないことに、まだ完全に習得したわけではなく、これなら絶対大丈夫というまでの確信が持てない。自信を持って取り扱えるようにしないとこれからも常に不安を抱えることになるし、何とかそのようにしないといけないと思っている。
講演を終えてから夕食をご馳走になりながら、中心メンバーの方々と話をしたが、小山くんに聞けばこの趣味の会が出来てから、もう32年にもなるという。よくもこれほど長く続いたものだと、幹部の方のご努力に敬服するばかりである。また新たなテーマでお話出来たらいいと思っている。
さて、このところアメリカの景気不安で日本でもドル安と円高が同時進行し、それが日本の株価まで大きく引き下げている。今日は帰宅した途端、妻から1ドル100円を割ったと聞いてびっくりである。円相場が1ドル=100円を突破したのは、12年ぶりである。8年前に妻とエーゲ海をクルーズした時には、1ドルが150円に近かったほどの円安に海外での物価の高さを痛感したものだ。それが現在はこの円高である。これで訪日観光客が減少しなければ良いがと願う。株価も下がりっ放しで、日経平均でも前日比427円安でお先真っ暗である。多分有効な術は打たないだろう。
一方でわが国の愚鈍な政治家たちは、政局を絡ませつつ国家、国民のことを頭から忘れ去り、この緊急時に金融当局のトップ人事も決められない体たらくである。やはり、本当の意味で政治改革をやって政治家の質を向上させなければいけないと痛感する。